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【江戸時代の経済発展】 受験日本史まとめ 42 |
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著作名:
Cogito
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平和な時代に入り、1643年(寛永20年)前後に起こった大飢饉以後、領主は農業を勧める勧農を行い、農業生産の基盤を作りました。いままで開発してこなかった干潟などを埋め立て、用水路を導入し、水の届かない地域など様々な場所で水田が広げられました。17世紀に起こったこうした動きを、「大開発時代」といい、江戸時代初期の164万町歩から、297万町歩へと田畑面積が急拡大しました。
農地の拡大とともに、収穫量もあがり、農業技術も進歩しました。深耕具の備中鍬、脱穀具の千歯扱き、選別用の唐箕・千石どおし、揚水具の踏車などが普及していきました。元禄時代以降には、肥料も刈敷や人糞に加え、油粕や干鰯などお金で買う金肥が綿やたばこなどの商品作物に用いられるようになりました。この時代に書かれた重要な農書が宮崎安貞の『農業全書』で、近世の『清良記』にくらべ格段に内容が進歩しました。
商品作物としては、桑・麻・木綿・油菜・藍・紅花・たばこ・茶・野菜が作られるようになり、各地に特産物が生まれ、農村家内工業がその担い手でした。
以下に、各地の特産物をまとめます。
絹織物…西陣織・桐生絹・伊勢崎絹・足利絹・丹後縮緬・上田紬 |
木綿…小倉織・久留米絣・有松絞・尾張木綿・河内木綿 |
麻…奈良晒・越後縮・近江麻・薩摩上布 |
陶磁器…有田焼・京焼・九谷焼・瀬戸焼・備前焼 |
漆器…南部塗・会津塗・輪島塗・春慶塗 |
製紙…美濃・土佐・駿河・石見・伊予 |
製紙(高級)…鳥ノ子紙・奉書紙・美濃紙・杉原紙 |
酒…伏見・灘・伊丹・池田 |
醤油…野田・銚子・京都・竜野 |
漁業では上総九十九里浜の地引網の鰯漁、備前五島の鮪漁、土佐の鰹漁、土佐・紀伊・備前・長門などの鯨漁が盛んになりました。蝦夷地では、なまこ・干し鮑・フカヒレをつめた俵物が生産されるようになりました。漁業は入会漁業を行う地域が多くありました。
塩業では、播磨の赤穂などで入浜式塩田が作られました。
林業では木曽檜や秋田杉などが有名でした。
鉱山業は、土佐の金山・石見の銀山・但馬生野の銀山・出羽院内の銀山が有名でした。これ以外に銅山も開発が進み、下野の足尾銅山・伊予の別子銅山・出羽の阿仁銅山も開発されました。鉄はたたら精錬という新たな技術で玉鋼が作られました。
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