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古文単語「むかふ/向かふ/対ふ」の意味・解説【ハ行四段活用/ハ行下二段活用】 |
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著作名:
走るメロス
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「むかふ/向かふ/対ふ」の意味・活用・使用例【ハ行四段活用/ハ行下二段活用】
このテキストでは、古文単語「むかふ/向かふ/対ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※「むこふ」とも。
「むかふ」には、
①ハ行四段活用
②ハ行下二段活用
の用法がある。
①ハ行四段活用
| 未然形 | むかは |
| 連用形 | むかひ |
| 終止形 | むかふ |
| 連体形 | むかふ |
| 已然形 | むかへ |
| 命令形 | むかへ |
■意味1:自動詞
向き合う、対座する。
[出典]:これも仁和寺の法師 徒然草
「医師のもとにさし入りて、向かひゐたりけむありさま、さこそ異様なりけめ。」
[訳]:医者の所(家の中)に入って、(医者に)向かって座っていたであろう有様は、さぞかし風変わりであっただろう。
「医師のもとにさし入りて、向かひゐたりけむありさま、さこそ異様なりけめ。」
[訳]:医者の所(家の中)に入って、(医者に)向かって座っていたであろう有様は、さぞかし風変わりであっただろう。
■意味2:自動詞
向かう、進む、出向く、おもむく。
■意味3:自動詞
はむかう、敵対する。
[出典]:願書 平家物語
「蟷螂の斧をいからして、隆車にむかふがごとし。」
[訳]:かまきりが鎌をふりかざして、大きな車にはむかうようなものです。
「蟷螂の斧をいからして、隆車にむかふがごとし。」
[訳]:かまきりが鎌をふりかざして、大きな車にはむかうようなものです。
■意味4:自動詞
肩を並べる、匹敵する、相当する。
[出典]:伊勢物語
「千々の秋一つの春にむかはめや紅葉も花もともにこそ散れ」
[訳]:千の秋は一つの春に匹敵するでしょうか、いやしません。(しかし)紅葉も桜の花も同じように散るのです。
「千々の秋一つの春にむかはめや紅葉も花もともにこそ散れ」
[訳]:千の秋は一つの春に匹敵するでしょうか、いやしません。(しかし)紅葉も桜の花も同じように散るのです。
②ハ行下二段活用
| 未然形 | むかへ |
| 連用形 | むかへ |
| 終止形 | むかふ |
| 連体形 | むかふる |
| 已然形 | むかふれ |
| 命令形 | むかへよ |
■意味1:他動詞
向かい合わせる、向けさせる、対面させる。
[出典]:蜻蛉日記
「川のかたに車むかへ...」
[訳]:川の方に車(牛車)を向けさせて...
「川のかたに車むかへ...」
[訳]:川の方に車(牛車)を向けさせて...
■意味2:他動詞
敵対させる、はむかわせる。
[出典]:額打論 平家物語
「北京には興福寺にむかへて、延暦寺の額をうつ。」
[訳]:北では興福寺に敵対させて、延暦寺の額を掛ける。
「北京には興福寺にむかへて、延暦寺の額をうつ。」
[訳]:北では興福寺に敵対させて、延暦寺の額を掛ける。
■意味3:他動詞
おもむかせる、向かわせる、出向かせる。
[出典]:烽火之沙汰 平家物語
「入道がもとへ討手なんどやむかへんずらん。」
[訳]入道(平清盛)のところへ追手などを出向かせようとするだろうか。
「入道がもとへ討手なんどやむかへんずらん。」
[訳]入道(平清盛)のところへ追手などを出向かせようとするだろうか。
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