manapedia
更新日時:
古文単語「やうなり」の意味・解説【助動詞】
著作名: 走るメロス
60,655 views
「やうなり」の意味・活用・使用例【助動詞】

このテキストでは、古文単語「やうなり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。



助動詞

未然形やうなら
連用形やうなりやうに
終止形やうなり
連体形やうなる
已然形やうなれ
命令形


※活用語の連体形、助詞「の/が」の後につく。

意味1:比況・類似

まるで〜のようだ、〜に似ている

[出典]黒鳥のもとに・白波 土佐日記
「これを見れば、春の海に秋の木の葉しも散れるやうにぞありける。」

[訳]:これを見ると、春の海にまるで秋の木の葉が散っているよう(な情景)であった。


意味2:例示

例えば〜のようだ

[出典]:鳥は 枕草子
「雀などのやうに、常にある鳥ならば...」

[訳]例えば雀などのように、いつもいる鳥ならば...




意味3:婉曲

〜のようだ、〜みたいだ

[出典]筑紫に、なにがしの押領使 徒然草
「筑紫に、なにがしの押領使などいふやうなる者のありけるが...」

[訳]:筑紫に、何々の押領使(という職についていた)などというような者がいたのですが


意味4:願望・意図

〜ように

[出典]徒然草
「すべて男をば、女に笑はれぬやうにおほしたつべしとぞ。」

[訳]:何事につけても男は、女に笑われないように育てあげるべきだということだ。




意味5:状態

〜ように見える、〜のように思われる

[出典]:桐壷 源氏物語
「おのづから御心うつろひて、こよなく思し慰むるやうなるも...」

[訳]:自然と(帝の)お心は(藤壺へ)移ってゆき、この上もなくお気持ちが慰められるように思われるのも...


このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。