更新日時:
|
|
【鎌倉文化、文学、建築、彫刻、絵画、工芸】 受験日本史まとめ 27 |
|
著作名:
Cogito
14,502 views |
鎌倉文化は、新しく起こった鎌倉仏教の影響を強く受けて成立しました。武士の家庭に育った西行は、世の無常を感じ妻子を残し出家し、歌集『山家集』を残しました。京都の日野山の庵に隠遁した鴨長明(1155?〜1225)は動乱期の事件を元に『方丈記』を書き記しました。天台宗の天主座主にあった慈円は、貴族出身に出自から衰退する貴族社会を観察し、『愚管抄』を著しました。
後鳥羽上皇は、院中に和歌所を置き、藤原定家(1162〜1241)・藤原家隆(1158〜1237)・寂蓮法師(1139?〜1202)らに『新古今和歌集』を選ばせました。『新古今和歌集』には、この三名の他、後鳥羽上皇・九条兼実の息子良経・兼実の弟慈円・西行らが優れた歌人として選ばれています。藤原定家に師事した将軍実朝は、『金槐和歌集』を残しました。しかし、その後藤原定家の子孫は、二条・京極・冷泉の三家にわかれ家元を争い、歌の名手はあらわれなくなります。
小説では、『石清水物語』『苔の衣』などが書かれましたが、平安文学には及びませんでした。
歴史文学では、『大鏡』の影響を受けた『今鏡』『水鏡』が作られます。仏教書としては虎関師錬の『元享釈書』がかかれ、また、鎌倉幕府による史書『吾妻鏡』が歴史的に重要な書物として残っています。
日記、紀行文学では、『東関紀行』『海道記』『十六夜日記』などがあります。
説話文学では、『宇治拾遺物語』『十訓抄』『古今著聞集』がつくられました。
随筆では、吉田(卜部)兼好(1283?〜1352?)の『徒然草』が名作として名高い作品として残っています。
軍記物語では、『保元物語』『平治物語』『平家物語』『承久記』などがあり、和漢混淆文で書かれました。
注釈書では、『日本書紀』の注釈書として卜部兼好の『釈日本紀』、『万葉集』の注釈書として僧仙覚の『万葉集註釈』、源氏物語の注釈書として源光行・親行父子の『水原抄』がつくられました。
この時代、朝廷の儀式や作法を研究する有識故実も広まり、順徳天皇(在位1210〜21)の『禁秘抄』や後鳥羽上皇の『世俗浅深秘抄』などが書かれました。
武士の間でも徐々に学問が広がり、北条実時は、武士の間での学問の便を図るため、金沢の称名寺に和漢の書を集め金沢文庫をはじめました。
南宋の朱熹によってはじめられた儒学の一派宋学(朱子学)は、俊芿や禅僧中巌円月によりこのころ日本に伝えられ、広がっていきます。
神道でも新しい思想がおこり、伊勢外宮の神官度会家行が『類聚神祇本源』を著し、伊勢神道(度会神道)を大成させます。
1ページ
|
前ページ
|
1/2 |
次ページ |
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
【鎌倉文化、新仏教の誕生、浄土宗、浄土真宗、時宗、日蓮宗、臨済宗、曹洞宗】 受験日本史まとめ 26
>
【後醍醐天皇の親政、足利高氏の登場と鎌倉幕府の滅亡】 受験日本史まとめ 28
>
鎌倉時代の仏教「浄土真宗」親鸞
>
源義経が源頼朝に殺された理由
>
御成敗式目(貞永式目)の内容・訳と出された目的・理由
>
鎌倉時代の仏教「時宗」一遍上人
>
【鎌倉文化、新仏教の誕生、浄土宗、浄土真宗、時宗、日蓮宗、臨済宗、曹洞宗】 受験日本史まとめ 26
>
最近見たテキスト
【鎌倉文化、文学、建築、彫刻、絵画、工芸】 受験日本史まとめ 27
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
注目テキスト
日本史
- 原始・古代の社会・文化と東アジア
- 先土器時代・縄文時代
- 弥生時代・古墳時代
- 飛鳥時代・奈良時代
- 平安時代
- 中世の社会・文化と東アジア
- 鎌倉時代
- 南北朝時代・室町時代
- 近世の社会・文化と国際関係
- 戦国時代・安土桃山時代
- 江戸時代
- 近代日本の形成とアジア
- 18世紀における国際環境の変化
- 開国・明治維新
- 立憲政治・憲法制定・議会の設立
- 条約改正・日清/日露戦争
- 近代産業の発展と文化の特色
- 両世界大戦期の日本と世界
- 第一次世界大戦
- 政党政治の発展と大衆文化の形成
- 国内情勢・第二次世界大戦・太平洋戦争
- 第二次世界大戦後の日本と世界
- 占領下の日本
- 高度成長の時代
- その他
- その他