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古文単語「とかく」の意味・解説【副詞】
著作名: 走るメロス
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とかく

このテキストでは、古文単語「とかく」の意味、解説とその使用例を記している。

副詞

意味1

あれこれと、何やかやと

[出典]馬のはなむけ・門出 土佐日記
「年ごろ、よくくらべつる人々なむ、別れ難く思ひて、日しきりにとかくしつつ、ののしるうちに、夜更けぬ。」

[訳]:ここ数年、親しく付き合ってきた人たちは、(私と)別れがたく思って、一日中絶えずあれこれ(世話を)しながら、騒いでいるうちに、夜がふけてしまった。


意味2

とにかく、なんにせよ、どうにか

[出典]:唐糸草紙 御伽草子
「...果報いみじき大将軍にてましましければ、とかく逃れたまふぞめでたけれ。」

[訳]:(頼朝は)大変幸運な大将軍でいらっしゃったので、どうにか(暗殺を)逃れていらっしゃるのは喜ばしいことです。




意味3

どうしても〜ない、まったく〜ない

※この用法の場合、「とかく〜打消」の形で用いる。
[出典]:丹後物狂
「さてもさても命は惜しいものかな。とかく投げられ。」

[訳]:それにしても命は惜しいものである。どうしても(身を)投げることができない


意味4

ともすれば、ややもすれば

[出典]:抜殻
とかく人といふものは、このやうな事をば、得て例にしたがるものぢゃ。」

[訳]ともすれば人間というものは、このようなことを、得てして前例としたがるものです。


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