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冠位十二階とは?仕組みと目的をわかりやすく解説【1分でわかる日本史】 |
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著作名:
かわちゃん
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冠位十二階(かんいじゅうにかい)とは、603年に推古天皇の朝廷が定めた冠位の制度で、役人の位を12のランクに分け、冠によって示したものです。この記事では、冠位十二階の仕組みと目的、氏姓制度との違いを、「1分でわかる要約」と「深掘り解説」の2段構成でまとめました。
冠位十二階とは、一言でいえば、豪族たちを「家」ではなく「個人」で序列づけた、新しいランク制度です。
冠位十二階は40年あまり使われ、647年の七色十三階冠(ななしきじゅうさんかいかん)の制定を経て、648年に役目を終えます。その後も冠位の制度は細分化を重ね、やがて律令制の位階へつながっていきました。
ここまでが1分の要約です。ここからは、冠位十二階をもう一歩深く知りたい方向けに解説します。
それまでの倭国の政治は、氏姓制度が土台でした。氏(うじ)という血縁集団に姓(かばね)という家格が与えられ、地位は家柄ごとに世襲されます。どれだけ有能でも、家柄の枠を越えることは難しい仕組みです。
冠位十二階は、この「家」単位の秩序に「個人」単位のランクを持ち込みました。制度の設計にあたっては、百済など朝鮮半島の官位制度が参考にされたと考えられています。推古朝の国づくりを支えた、厩戸王(聖徳太子)や大臣・蘇我馬子ら政権中枢による制度改革のひとつです。
適用範囲は畿内とその周辺に限られていたとされ、最初から全国一律の制度だったわけではありません。
「誰が作ったか」は、実は断定できません。かつては聖徳太子の功績とされてきましたが、現在では蘇我馬子の関与を指摘し、両者の共同とみる研究者が多くなっています。このテキストで「推古朝の朝廷が定めた」としているのは、そのためです。
冠の色も未確定です。「紫・青・赤・黄・白・黒の6色で、大小は濃淡で区別」という説明が広く知られていますが、史料には具体的な色が伝わっておらず、諸説あるというのが現在の整理です。
そして「家柄より実力」という定番の説明も、そう言われる一方で、運用の実態がどこまで理念どおりだったかには研究上の議論があります。本記事で「〜とも言われ」とぼかしているのは、この議論を踏まえた表現です。
要約で触れた髻華(うず)は、元日の朝賀のときに冠に挿した髪飾りです。冠そのものは絁という絹織物を袋状に仕立てて縁を付けたもので、意外と柔らかい作りでした。序列を示す道具でありながら、儀式の日には花で飾る——制度の堅さと宮廷文化の華やかさが同居しているのが、この冠の面白いところです。
もうひとつ、この制度は「畿内周辺のローカル制度」として始まりました。地方の豪族の大部分には冠位が与えられておらず、全国的な位階の仕組みに育つまでには、その後の改定を何度も重ねる必要がありました。
この記事は2段構成です。最初の「1分でわかる冠位十二階」だけで、要点がつかめます。
さらに深掘りでは、次の3つの謎を考察していきます。
・作った本人たちが「無冠」だった理由
・冠の色は、実は分かっていない
・「家柄より実力」は、どこまで本当か
さらに深掘りでは、次の3つの謎を考察していきます。
・作った本人たちが「無冠」だった理由
・冠の色は、実は分かっていない
・「家柄より実力」は、どこまで本当か
1分でわかる冠位十二階
冠位十二階とは、一言でいえば、豪族たちを「家」ではなく「個人」で序列づけた、新しいランク制度です。
6つの徳目×大小=12ランク
位は徳・仁・礼・信・義・智の6つを、それぞれ大小に分けて12階。最高位は大徳(だいとく)です。位は冠で示され、朝廷内の序列が一目で分かるようになりました。
位は徳・仁・礼・信・義・智の6つを、それぞれ大小に分けて12階。最高位は大徳(だいとく)です。位は冠で示され、朝廷内の序列が一目で分かるようになりました。
「個人」に与え、世襲させない
家柄ごとに世襲される氏姓(うじ・かばね)と違い、冠位は個人に与えられ、子には引き継がれません。家柄によらず能力や功績で位を与えたとも言われ、豪族たちを天皇中心の新しい序列に組み込む狙いがありました。
家柄ごとに世襲される氏姓(うじ・かばね)と違い、冠位は個人に与えられ、子には引き継がれません。家柄によらず能力や功績で位を与えたとも言われ、豪族たちを天皇中心の新しい序列に組み込む狙いがありました。
皇族と大臣は対象外
冠位は、皇族と、大臣の蘇我氏には与えられませんでした。彼らは位を「与える側」。ランク付けされたのは、その下の豪族たちです。
冠位は、皇族と、大臣の蘇我氏には与えられませんでした。彼らは位を「与える側」。ランク付けされたのは、その下の豪族たちです。
冠位十二階は40年あまり使われ、647年の七色十三階冠(ななしきじゅうさんかいかん)の制定を経て、648年に役目を終えます。その後も冠位の制度は細分化を重ね、やがて律令制の位階へつながっていきました。
おまけトリビア
冠は絁(あしぎぬ)という絹織物でできていて、元日には髻華(うず)という花の飾りを冠に挿して着飾ったと伝わります。ランクの証しであると同時に、晴れの日の装いでもあったんですね。
冠は絁(あしぎぬ)という絹織物でできていて、元日には髻華(うず)という花の飾りを冠に挿して着飾ったと伝わります。ランクの証しであると同時に、晴れの日の装いでもあったんですね。
ここから深掘り
ここまでが1分の要約です。ここからは、冠位十二階をもう一歩深く知りたい方向けに解説します。
■冠位十二階の背景
それまでの倭国の政治は、氏姓制度が土台でした。氏(うじ)という血縁集団に姓(かばね)という家格が与えられ、地位は家柄ごとに世襲されます。どれだけ有能でも、家柄の枠を越えることは難しい仕組みです。
冠位十二階は、この「家」単位の秩序に「個人」単位のランクを持ち込みました。制度の設計にあたっては、百済など朝鮮半島の官位制度が参考にされたと考えられています。推古朝の国づくりを支えた、厩戸王(聖徳太子)や大臣・蘇我馬子ら政権中枢による制度改革のひとつです。
■仕組みと流れ
| 順位 | 冠位 | 読み |
| 1・2 | 大徳・小徳 | だいとく・しょうとく |
| 3・4 | 大仁・小仁 | だいじん・しょうじん |
| 5・6 | 大礼・小礼 | だいらい・しょうらい |
| 7・8 | 大信・小信 | だいしん・しょうしん |
| 9・10 | 大義・小義 | だいぎ・しょうぎ |
| 11・12 | 大智・小智 | だいち・しょうち |
| 年 | 出来事 |
| 603年 | 冠位十二階を制定 |
| 647年 | 七色十三階冠を制定 |
| 648年 | 冠位十二階を廃止 |
| 701年 | 大宝令の位階制へ(冠位制度の到達点) |
適用範囲は畿内とその周辺に限られていたとされ、最初から全国一律の制度だったわけではありません。
■史実と学説
「誰が作ったか」は、実は断定できません。かつては聖徳太子の功績とされてきましたが、現在では蘇我馬子の関与を指摘し、両者の共同とみる研究者が多くなっています。このテキストで「推古朝の朝廷が定めた」としているのは、そのためです。
冠の色も未確定です。「紫・青・赤・黄・白・黒の6色で、大小は濃淡で区別」という説明が広く知られていますが、史料には具体的な色が伝わっておらず、諸説あるというのが現在の整理です。
そして「家柄より実力」という定番の説明も、そう言われる一方で、運用の実態がどこまで理念どおりだったかには研究上の議論があります。本記事で「〜とも言われ」とぼかしているのは、この議論を踏まえた表現です。
位の並び順も、『日本書紀』は徳・仁・礼・信・義・智、『隋書』は徳・仁・義・礼・智・信と、史料によって違いがあります。教科書・教材で使われるのは『日本書紀』の並びです。
■トリビアの真相
要約で触れた髻華(うず)は、元日の朝賀のときに冠に挿した髪飾りです。冠そのものは絁という絹織物を袋状に仕立てて縁を付けたもので、意外と柔らかい作りでした。序列を示す道具でありながら、儀式の日には花で飾る——制度の堅さと宮廷文化の華やかさが同居しているのが、この冠の面白いところです。
もうひとつ、この制度は「畿内周辺のローカル制度」として始まりました。地方の豪族の大部分には冠位が与えられておらず、全国的な位階の仕組みに育つまでには、その後の改定を何度も重ねる必要がありました。
試験に出るポイント
603年制定・徳仁礼信義智の6徳目×大小=12階・最高位は大徳。「個人に与えられ世襲されない」点が氏姓制度との対比で頻出です。647年の七色十三階冠への移行もセットで覚えておくと強いです。
603年制定・徳仁礼信義智の6徳目×大小=12階・最高位は大徳。「個人に与えられ世襲されない」点が氏姓制度との対比で頻出です。647年の七色十三階冠への移行もセットで覚えておくと強いです。
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