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蜻蛉日記原文全集「かくあるほどに、ここちはいささか人ごこちすれど」 |
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著作名:
古典愛好家
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蜻蛉日記
かくあるほどに、ここちはいささか人ごこちすれど
かくあるほどに、ここちはいささか人ごこちすれど、廿余日のほどに、
「御嶽に」
とていそぎ立つ。をさなき人も、
「御ともに」
とてものすれば、とかく出だしたててぞ、その日のくれにぞ我れももとのところなど修理(すり)しはてつればわたる。ともなるべき人など、さしおきてければ、さてわたりぬ。それより、さかりうしろめたき人をさへ添へてしかば、いかにいかにと念じつつ、七月一日の日のあかつきにきて、
「ただいまなんかへりたまへる」
などかたる。ここは、ほどいととほくなりにたれば、しばしはありきなどもかたかりなんかしなど思ふに、昼つ方、なへぐなへぐと見えたりしは、なにとにかありけむ。
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