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イギリスのヴィクトリア時代、ロシアと東方問題(クリミア戦争、インド帝国など) 受験対策問題 76 |
著作名:
レキシントン
14,651 views |
イギリスのヴィクトリア時代、ロシアと東方問題
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
イギリスのヴィクトリア時代
・ジョージ3世の孫であるヴィクトリア女王は1837年に即位し、その後1901年まで大英帝国の黄金期を現出した。この時代をヴィクトリア時代といい、地主層を支持基盤としトーリ党から成立した保守党と、ブルジョワジーを支持基盤とし、ホイッグ党から成立した自由党の二大政党のもとイギリスは世界の覇者となっていった。ロンドンでは、1851年に世界初の万国博覧会が開催され、1867年には保守党のダービー内閣により第2回選挙法改正が行われ、イギリスの繁栄は続き、産業革命以降第二帝国と呼ばれるようになった。
・ヴィクトリア時代には、二人の大物政治家が活躍した。保守党のディズレーリは2回首相を歴任し、スエズ運河買収、インド帝国樹立、ロシアの南下政策を阻止するなど、帝国主義政策外交をすすめた。
・一方、自由党のグラッドストンは、4回首相を歴任し、平和外交や内政を重視し、教育法、労働組合法などを制定し、1884年には第3回選挙法改正を行い、農業労働者や鉱山労働者も選挙権を与えられ、有権者は440万人に拡大した。
・ヴィクトリア時代には、アイルランド問題がイギリスの課題として残っていた。1801年にイギリスに併合されたアイルランドでは、1840年にジャガイモ飢饉が起こり、100万人以上の死者が出たため、イギリスからの自治を求める運動が加速し、北アメリカへの移民が増加した。
・アイルランドの自治獲得や民族独立を目指し、青年アイルランド党やフェニアン、アイルランド国民党などが成立した。こうした組織により、1870年アイルランド土地法が成立し、その後アイルランド自治法案を提出したが成立せず、独立運動が激化した。
・イギリスは、海外に自治領を持つようになり、1867年カナダ連邦、1901年オーストラリア、1907年ニュージーランド、1910年南アフリカ連邦などが成立した。また、1875年にスエズ運河を買収しエジプト全域を支配し、1877年にはヴィクトリア女王をインド皇帝とするインド帝国を成立させた。
ロシアの改革
・デカブリストの乱を鎮圧したニコライ1世は専制政治を強行し、クリミア戦争を引き起こした。戦争中にニコライ1世が没すると、子のアレクサンドル2世はクリミア戦争の反省を受け、1861年に農奴解放令を発布したが、農民はミール(農業共同体)に縛り付けられたままだった。皇帝はその後、革命派のテロにより暗殺された。
・1863年にはポーランドで反乱が起こるが、ロシアはこれを鎮圧し、ウィーン体制後崩壊後「ヨーロッパの憲兵」と言われる反動政治を行い、各地の自由主義運動を鎮圧していった。
・こうした状況に対し、知識階級インテリゲンツィアは体制を批判し、ナロードニキ(人民主義者)という人々が平等な社会を実現するために活動するようになった。これらの一部は、ニヒリズム(虚無主義)やアナーキズム(無政府主義)、テロリズムを行うようになった。また、ユダヤ人に対するポグロムという迫害も起こるようになった。
東方問題
・東方問題とは、オスマン帝国領土内で、諸民族の独立運動の激化と列強の干渉により生じた国際的諸問題のことである。
・東方問題がきっかけとなり、オスマン帝国からの独立を目指したギリシア独立戦争(1821〜1829)、エジプトのムハンマド=アリーとオスマン帝国のエジプト=トルコ戦争(1831〜1833,1839〜1840)、クリミア戦争(1853〜1856)、露土戦争(1877〜1878)など様々な戦争がおこった。
・ロシアは不凍港獲得を目指し南下政策を進めたが、ヨーロッパ各国との戦争に敗北し、最終的に挫折した。
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