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イギリス自由貿易体制の成立過程(第1回選挙法改正、穀物法・航海法廃止など) |
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著作名:
John Smith
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1800年、イギリスはアイルランド合同法という法律を独断で可決し、翌年1801年にアイルランドを併合し、大ブリテン=アイルランド連合王国が成立します。
アイルランドは大半がカトリック系住民で占められていたため、連合王国内でも融和のための政策が行われます。1824年の団結禁止法廃止、1828年の審査法廃止、1829年のカトリック教徒解放法などです。
この中でも、審査法廃止によってカトリック教徒以外の非国教徒の公職就任が可能となり、アイルランドの政治家オコンネルの尽力によって成立したカトリック教徒解放法により、カトリック教徒も公職に就くことができるようになりました。
1830年、フランスで7月革命が起こり、ヨーロッパで自由主義の機運が高まる中、イギリスもその影響をうけるようになりました。
1832年、ホイッグ党グレイ内閣の政権下で、第1回選挙法改正が行われます。
この改正で、地主や貴族の意のままになっていた腐敗選挙区を廃止し、新興の商業都市や工業都市に議席を割り当て、新たに産業資本家に参政権が与えられました。
こうして、参政権をもつ有権者の数は50万人から81万人へと大幅に増加し、その中でも自由主義思想をもつ新興のブルジョワジーの政治参加が可能となったのです。
選挙法改正によって産業資本家の議会進出が可能になると、次第に彼らは自由貿易を求めるようになります。
重商主義時代に成立したさまざまな法律が廃止されるようになります。
法律名 | 内容 |
東インド会社停止 | 東インド会社の中国独占権が廃止され、アジア貿易が産業資本家に解放された。1834年廃止。 |
穀物法 | 1815年制定の地主保護法。ナポレオン戦争後の穀物流入防止の為、外国産穀物に高関税をかけた。1846年廃止。 |
航海法 | 1651年以降、イギリスの貿易を特定国の業者に制限した法律。1849年廃止。 |
東インド会社の特権が廃止後、アジア市場が産業資本家に開放されます。その後自由貿易を主張したコブデンやブライトにより、1839年反穀物法同盟が結成、1846年に穀物法が廃止され、地主の利権がなくなり、産業資本家に有利な政策が更に推し進められます。1846年には、1651年以降長いあいだ成立していた航海法が廃止され、イギリスの自由貿易体制が確立しました。
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