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『雪降れば木ごとに花ぞ咲きにける いづれを梅とわきて折らまし』 現代語訳と品詞分解 |
著作名:
走るメロス
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『雪降れば木ごとに花ぞ咲きにける いづれを梅とわきて折らまし』現代語訳と解説
このテキストでは、古今和歌集に収録されている歌「雪降れば木ごとに花ぞ咲きにける いづれを梅とわきて折らまし」の原文、現代語訳・口語訳、解説(係り結びなど)、そして品詞分解を記しています。
新古今和歌集とは
新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)は、鎌倉時代初期に編纂された勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)です。勅撰和歌集とは、天皇や上皇の命令により編集された和歌集のことです。
原文
雪降れば 木毎に花ぞ 咲きにける いづれを梅と わきて折らまし
ひらがなでの読み方
ゆきふれば きごとにはなぞ さきにける いづれをうめと わきてをらまし
現代語訳
雪が降って、木に白い花が咲いたように見える。木(き)梅(ごと)と書くと「梅」という時になるが、どの木を本当の梅の木と区別して折ったらよいだろうか
解説・鑑賞のしかた
この歌は、紀友則(紀貫之のいとこ)によって詠まれたものです。
「木梅(きごと)」と書いて、梅の木と結び付けるというおもしろい発想をしています。庭の木のほとんどに雪が積もっていて、どれがどの木だかわかならい。ましてや梅の花は白いので、雪の白さで、どの木が梅の木なのかがわからない、という冬の一コマを詠んだものです。
単語
木梅に | どの木にも |
折らまし | 「折ったらよいのだろう」とためらいの意志で訳す |
ぞ-ける | 係り結びの法則 |
品詞分解
※名詞は省略してあります。
雪 | ー |
降れ | ラ行変格活用・已然形 |
ば | 正族助詞 |
木梅 | ー |
に | 格助詞 |
花 | ー |
ぞ | カ行四段活用・連用形 |
咲き | カ行四段活用・連用形 |
に | 完了を表す助動詞・連用形 |
ける | 詠嘆を表す助動詞・連体形 |
いづれー | |
を | 格助詞 |
梅ー | |
と | 格助詞 |
分き | カ行四段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
折ら | ラ行四段活用・未然形 |
まし | 意志を表す助動詞・連体形 |
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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