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放射能・放射性同位体とその利用法 高校化学 |
著作名:
藤山不二雄
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ラジオアイソトープとは
原子番号が同じであっても、原子核に含まれる中性子の数が異なる物質のことを同位体(アイソトープ)と呼ぶことはみなさんご存知だと思います。
同位体の中でも、バランスが安定して形を留めておけるものと、バランスが安定せずに形を留めておけないものがあります。そしてこの不安定なものは放射線を発しながら崩壊してしまう運命にあり、この不安定な同位体のことを放射性同位体(ラジオアイソトープ)と言います。
自然界には、ウラン、ラジウム、カリウムなどの放射性同位体が存在し、人工的なものを含めるとその数は2000種類以上にのぼるともいわれています。
放射能と放射性物質
放射線を出すアイソトープを含んだ物質を放射性物質、放射線を出す能力を、放射能といいます。
わかりやすく説明すると、懐中電灯をイメージしてみてください。
このとき、懐中電灯は光を発する能力を持っています。この能力のことを放射能(放射線を出す能力)と言います。
そしてこの懐中電灯から出された光のことを放射線、この放射線を出す物質を放射性物質と言います。
放射性同位体の応用
放射性同位体はその性質を使って、様々な分野に応用されています。
■レントゲン
放射線を写真フイルムにあてるとその部分が化学変化を起こし、現像すると黒くなります。放射線をさえぎるとフィルムには何も写りません。この性質を利用したものがレントゲン写真です。
■放射線治療
放射線には、原子にぶつかるとその原子を構成する要素の1つである電子をはね飛ばす作用があります。つまり原子の性質を変えてしまうわけです。この作用を応用したものが、がんの治療に行われている放射線治療なのです。がん細胞に放射線をあてて、がん細胞の性質を変えてしまおうという治療ですね。
■トレーサー法
放射性同位体は、物質によって壊れるスピードが違います。
ですので、壊れかけている過程にある放射性同位体を見つけ、どれぐらい壊れているかを調べることによって、その放射性同位体を含む物質がどれくらい昔から存在しているのかを調べることができます。
例えば縄文杉のように、何年生きているのかわからない木の年齢の測定などに応用されており、この測定法のことをトレーサー法と呼びます。
レントゲン、放射線治療、トレーサー法に関しては覚える必要はありませんが、このように応用されているのだなぁぐらいで頭の片隅に留めておいてください。
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