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『杜子春伝(有一老人策杖於前〜)』書き下し文・現代語訳(口語訳)と解説
著作名: 走るメロス
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現代語訳

その(杜子春の)妻は大声をあげて泣き叫びながら言いました。
「確かに(私は)卑しく、あなた様を辱めてまいりました。
しかし幸いにもあなた様の妻となり、十余年仕えてまいりました。
いま尊鬼に捉えられてしまい、その苦しみに耐えることができません。
あなた様にすすんではいつくばって、(私の命乞いをするために尊鬼に)拝み乞うことを望んでいるのではありません、ただあなた様に一言かけて頂ければ、すぐに命を取り留めることができるのです。
人であって誰が情を持たないものがいましょうか(いや、持たないものはいない)。
どうしてあなた様は一言を出し惜しみするのですか。」と。

(妻は)庭中に涙の雨を降らし、(杜子春のことを)呪ったり罵ったりしました。
杜子春はとうとう振り返ることをしませんでした。
将軍がさらに言いました。
「(私が)お前の妻を殺せないとでも思っているのか。」と。


(すると)大きな押し切りを持ってこさせ、(妻を)脚から一寸ごとに斬りました。
妻はますます大声を挙げて泣き叫びましたが、(杜子春は)とうとう振り返ることはありませんでした。

単語解説

号哭大声をあげて泣き叫ぶこと
陋拙卑しいこと、下品であること
得執巾櫛妻となること
とうとう




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