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産業革命と経済体制の変遷 ② |
著作名:
John Smith
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社会主義の成立
第1次産業革命以降、資本主義は順調に発展して行きました。その一方で、1917年ロシアで革命が起きると、資本主義とは別に新しい経済体制として社会主義が誕生します。
社会主義は、資本主義の中で資本家に搾取されていた労働者たちが、次第に賃金や労働条件の改善を求めるようになり、社会的不平等の根源が私有財産にあるとした思想です。
その後ドイツの経済学者カール=マルクス(1818~1883)の主張した階級闘争により、世界各地で社会主義革命が起こりました。
(マルクス)
社会主義革命をいち早く達成したのが、ロシアのレーニンでした。彼は、『帝国主義論』を著し、1917年にロシア革命を経て、ロシアの王政に変わり、ソビエト政府を誕生させました。
(レーニン)
これ以降、資本主義諸国と社会主義諸国は思想上だけでなく様々な面で対立していきます。
第2次産業革命
話を資本主義諸国に戻してみましょう。
イギリスで起こった産業革命を第1次産業革命とすると、20世紀になって、蒸気機関に変わり、電気や内燃機関を動力とした技術変化が起こります。これを第2次産業革命と言います。
第2次産業革命は、商品の大量生産を可能にし、テレビやレーダーなど、新しい技術による優れた新製品を世に送り出しました。しかし、同時に人々の生活を大量消費のものに変え、産業や社会を一変させる出来事になりました。
資本主義の失敗
第2次産業革命により、資本主義は隆盛を極めたかのように見えました。しかし、資本主義社会を根底から覆す出来事が起こります。
1929年10月24日、アメリカニューヨークのウォール街の株式相場が大暴落します。この日は暗黒の木曜日と言われ、アメリカ経済の大不況の引き金になりました。
この状況はその後世界に波及し、多くの企業や銀行が倒産する世界恐慌が起こります。
このような資本主義の失敗に対し、世界各国では国家が経済政策に介入するようになりました。
国家が積極的に経済に介入するようになった背景には、アメリカの経済学者ケインズの主張が大きく関係しています。
彼は、失業問題が資本主義社会の最も重要な課題だという認識を持っていたので、国家が積極的に介入して、公共投資や社会保障、減税、金利の引き下げなどを通じて、有効需要(貨幣支出を伴う需要)を増やすべきだという主張をしました。
この主張に基づき、アメリカでは、フランクリン=ローズヴェルト大統領による大規模な公共投資政策のニューディール政策が行われ、資本主義社会の修正が試みられました。
国家の介入は世界各国で行われましたが、経済政策にあまり効果が出なかったドイツや日本、イタリアは、経済の落ち込みを戦争による需要創出によって解決するようになり、その後の第2次世界大戦へとつながっていってしまいます。
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