|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
クシャーナ朝とは わかりやすい世界史用語782 |
著作名:
ピアソラ
1,127 views |
クシャーナ朝とは
クシャーナ朝は、紀元前2世紀から紀元後3世紀にかけて中央アジアからインド北部にかけて広がった帝国であり、その起源は中央アジアの遊牧民である大月氏(またはバクトリア土着のイラン系民族)にさかのぼります。月氏は匈奴によって西方へ追いやられ、最終的にバクトリア(現在のアフガニスタン北部)に定住しました。ここで、月氏の一部であるクシャーン族が他の部族を統合し、強力なクシャーナ朝を築き上げました。
クシャーナ朝の拡大と影響
クシャーナ朝は、紀元1世紀から3世紀にかけて最盛期を迎え、その領土は現在のアフガニスタン、パキスタン、インド北部に広がりました。クシャーナ朝は、シルクロードの重要な交易路を支配し、東西の文化交流を促進しました。
クシャーナ朝の最も有名な王は、カニシカ王であり、彼の治世下で帝国は最大の繁栄を迎えました。カニシカ1世は仏教の大いなる庇護者であり、彼の支援により仏教は中央アジアから中国に広まりました。
文化と宗教
クシャーン人は多様な文化と宗教を受け入れました。彼らの宗教は、仏教、ヒンドゥー教、ゾロアスター教、マニ教などが混在していました。特に仏教は、クシャーナ朝の庇護の下で大いに発展し、ガンダーラ美術と呼ばれる独自の仏教美術が生まれました。
ガンダーラ美術は、ギリシャ・ローマの影響を受けた仏教美術であり、仏像や仏教遺跡にその特徴が見られます。この美術様式は、後に中国や日本にも影響を与えました。
経済と交易
クシャーナ朝は、シルクロードの要所を支配していたため、東西交易の中心地として繁栄しました。彼らは中国から絹や陶器を輸入し、ローマ帝国には香辛料や宝石を輸出しました。この交易活動により、クシャーナ朝は経済的にも大いに発展しました。
クシャーナ朝の衰退
クシャーナ朝は、3世紀後半から徐々に衰退し始めました。サーサーン朝ペルシアやグプタ朝インドなどの新興勢力の台頭により、クシャーナ朝の領土は縮小し、最終的には4世紀に滅亡しました。
クシャーナ朝の歴史は、中央アジアからインドにかけての広範な地域での文化交流と交易の重要性を示しています。彼らの遺産は、今日でも仏教美術やシルクロードの歴史に見ることができます。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
クシャーン人とは わかりやすい世界史用語781
>
カニシカ王(カニシカ1世)とは わかりやすい世界史用語783
>
セイロン島(スリランカ)布教とは わかりやすい世界史用語778
>
ヴァルダナ朝とは わかりやすい世界史用語822
>
サータヴァーハナ朝とは わかりやすい世界史用語797
>
輪廻転生とは わかりやすい世界史用語759
>
カースト(ジャーティ)とは わかりやすい世界史用語265
>
最近見たテキスト
クシャーナ朝とは わかりやすい世界史用語782
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
世界史
- 先史時代
- 先史時代
- 西アジア・地中海世界の形成
- 古代オリエント世界
- ギリシア世界
- ヘレニズム世界
- ローマ帝国
- キリスト教の成立と発展
- アジア・アメリカの古代文明
- イラン文明
- インドの古代文明
- 東南アジアの諸文明
- 中国の古典文明(殷・周の成立から秦・漢帝国)
- 古代の南北アメリカ文明
- 東アジア世界の形成と発展
- 北方民族の活動と中国の分裂(魏晋南北朝時代)
- 東アジア文化圏の形成(隋・唐帝国と諸地域)
- 東アジア諸地域の自立化(東アジア、契丹・女真、宋の興亡)
- 内陸アジア世界の形成
- 遊牧民とオアシス民の活動
- トルコ化とイスラーム化の進展
- モンゴル民族の発展
- イスラーム世界の形成と拡大
- イスラーム帝国の成立
- イスラーム世界の発展
- インド・東南アジア・アフリカのイスラーム化
- イスラーム文明の発展
- ヨーロッパ世界の形成と変動
- 西ヨーロッパ世界の成立
- 東ヨーロッパ世界の成立
- 西ヨーロッパ中世世界の変容
- 西ヨーロッパの中世文化
- 諸地域世界の交流
- 陸と海のネットワーク
- 海の道の発展
- アジア諸地域世界の繁栄と成熟
- 東アジア・東南アジア世界の動向(明朝と諸地域)
- 清代の中国と隣接諸地域(清朝と諸地域)
- トルコ・イラン世界の展開
- ムガル帝国の興隆と衰退
- ヨーロッパの拡大と大西洋世界
- 大航海時代
- ルネサンス
- 宗教改革
- 主権国家体制の成立
- 重商主義と啓蒙専制主義
- ヨーロッパ諸国の海外進出
- 17~18世紀のヨーロッパ文化
- ヨーロッパ・アメリカの変革と国民形成
- イギリス革命
- 産業革命
- アメリカ独立革命
- フランス革命
- ウィーン体制
- ヨーロッパの再編(クリミア戦争以後の対立と再編)
- アメリカ合衆国の発展
- 19世紀欧米の文化
- 世界市場の形成とアジア諸国
- ヨーロッパ諸国の植民地化の動き
- オスマン帝国
- 清朝
- ムガル帝国
- 東南アジアの植民地化
- 東アジアの対応
- 帝国主義と世界の変容
- 帝国主義と列強の展開
- 世界分割と列強対立
- アジア諸国の改革と民族運動(辛亥革命、インド、東南アジア、西アジアにおける民族運動)
- 二つの大戦と世界
- 第一次世界大戦とロシア革命
- ヴェルサイユ体制下の欧米諸国
- アジア・アフリカ民族主義の進展
- 世界恐慌とファシズム諸国の侵略
- 第二次世界大戦
- 米ソ冷戦と第三勢力
- 東西対立の始まりとアジア諸地域の自立
- 冷戦構造と日本・ヨーロッパの復興
- 第三世界の自立と危機
- 米・ソ両大国の動揺と国際経済の危機
- 冷戦の終結と地球社会の到来
- 冷戦の解消と世界の多極化
- 社会主義世界の解体と変容
- 第三世界の多元化と地域紛争
- 現代文明
- 国際対立と国際協調
- 国際対立と国際協調
- 科学技術の発達と現代文明
- 科学技術の発展と現代文明
- これからの世界と日本
- これからの世界と日本
- その他
- その他