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漢委奴国王印とは わかりやすい世界史用語503
著作名: ピアソラ
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漢委奴国王印とは

漢委奴国王印(かんのわのなのこくおういん)は、日本の福岡県志賀島で1784年に発見された純金製の印章です。この印章は、日本の国宝に指定されており、その歴史的価値から日本の歴史教育においても重要な位置を占めています。

発見と歴史的背景

漢委奴国王印は、1784年に農作業中に偶然発見されました。この印章は、福岡市博物館に所蔵されており、現在も展示されています。印章には「漢委奴国王」という五つの漢字が刻まれており、これは「漢(中国の漢王朝)」「委(倭、古代日本の名称)」「奴(日本の古代国家の一つ)」「国(国家)」「王(王)」を意味します。

外観と構造

この印章は、純度95%の金で作られており、重さは108.729グラム(3.8353オンス)です。印章の底面には、右から左、上から下に読む五つの漢字が刻まれています。印章の取っ手は巻き付いた蛇の形をしており、全体の高さは2.236センチメートル(0.880インチ)です。



歴史的意義

漢委奴国王印は、中国の後漢書に記録されている印章と一致すると考えられています。この記録によれば、57年に中国の光武帝が日本からの使者にこの印章を授けたとされています。この印章は、日本が中国の冊封体制に組み込まれていたことを示す重要な証拠とされています。

現在の保存状況

現在、この印章は福岡市博物館に所蔵されており、一般公開されています。また、この印章の発見を記念して、福岡市と中国の広州市は1979年に姉妹都市協定を結び、現在も定期的に交流イベントが行われています。

文化的影響

漢委奴国王印は、日本の歴史教育においても重要な位置を占めています。この印章は、日本が古代から中国との外交関係を持っていたことを示す貴重な証拠であり、日本の国家形成における重要な文化財とされています。

このように、漢委奴国王印は日本と中国の古代の外交関係を示す重要な歴史的遺物であり、その発見と保存は日本の歴史研究においても大きな意義を持っています。

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