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尊王・攘夷とは わかりやすい世界史用語312
著作名: ピアソラ
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尊王・攘夷とは

中国の春秋戦国時代における「尊王・攘夷」の概念は、周王朝の王権を尊重し、外部の蛮族を排除するという政策です。この政策は、斉の宰相である管仲によって始められました。管仲は、周の王を尊重し、中国から蛮族の脅威を排除するために、中国の諸侯を結集させました。

春秋時代は、周の前半にあたり、多くの諸侯国が覇権を競い合った時期です。この時代は、孔子に関連付けられている「春秋」の年代記から名付けられました。春秋時代は、中国の歴史の中で特に政治的な分裂が進んだ時期であり、多くの諸侯国が独自の力を持ち、中央政府の影響力が低下していきました。

「尊王攘夷」の政策は、周の衰退とともに、諸侯が自らの権力を強化するために用いられました。諸侯は、王権を尊重することで正統性を主張し、同時に外部の蛮族や他の諸侯との戦いにおいて、自らの領土を守るためにこの政策を利用しました。このようにして、春秋時代は、中国の歴史の中で重要な転換点となり、後の戦国時代へと繋がる政治的な基盤が形成されました。

春秋時代は、孔子や老子といった多くの思想家が登場した時代でもあります。これらの思想家は、政治的な混乱の中で、道徳や倫理、政治理論についての新しい考えを提案しました。孔子は、個人の徳と社会的な調和を重視する儒教の考えを広め、中国の文化や政治に大きな影響を与えました。

「尊王攘夷」の精神は、後の時代にも影響を与え続け、特に幕末の日本で重要なスローガンとなりました。このスローガンは、外国の影響を排除し、天皇を中心とした国家の再建を目指す動きとして用いられました。

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