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万葉集「わが盛りいたくくたちぬ雲に飛ぶ薬食むともまたをちめやも」の現代語訳と解説
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、万葉集の第5巻に収録されている「わが盛りいたくくたちぬ雲に飛ぶ薬食むともまたをちめやも」(八四七)の現代語訳・口語訳とその解説を記しています。この和歌は、平成の次の元号である「令和」(2019年5月1日〜)の由来となった万葉集『梅花の歌三十二首并せて序』に収録された32首のうちのひとつです。

原文

わが盛り いたく(※1)くたちぬ 雲に飛ぶ 薬食むとも また(※2)をち(※3)めやも

ひらがなでの読み方

わがさかり いたくくたちぬ くもにとぶ くすりはむとも またをちめやも

現代語訳

私の盛り(の時)はすっかり衰えてしまいました。雲の上を飛ぶ(ことができる)薬を飲んだとしても再び若返るだろうか、いや若返りはしまい

解説

大伴旅人または員外の者(32人にカウントされなかった人)作の歌ですが、大伴旅人が詠んだ歌とする説が有力です。大伴旅人主催の梅花の宴にて詠まれた32首のひとつです。梅花の宴とは文字通り梅の花を題材とした歌を詠む会で、当時太宰府の長官であった大伴旅人を中心に開催されました。

単語・文法解説

(※1)くたちタ行四段活用「くたつ」の連用形。「衰える」の意
(※2)をちタ行上二段活用「をつ」の未然形。「若返る/もとに戻る」の意
(※3)めやも「〜だろうか-いや-〜ない」と訳す。推量の助動詞「む」の已然形+反語の係助詞「や」+終助詞「も」


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