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【藤原氏の発展と摂関政治】 受験日本史まとめ 17 |
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著作名:
Cogito
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始祖藤原鎌足やその子不比等など、藤原氏は律令国家建設の大きな尽力者でした。そのため、律令国家体制が確立していく中で、官僚貴族として隆盛を誇っていきました。
大伴氏など、他の氏族は律令制以前から続く軍の統率などの職務にこだわったのに対し、藤原氏は鎌足・不比等の功績や光明子の影響力を背景に、国家の最高機関運営機関である太政官に多くの公家を送り込みました。
8世紀末には、藤原宇合の子孫が式家となり、藤原百川・藤原種継らを輩出し有力となりました。しかし、9世紀初頭の桓武天皇・嵯峨天皇の時代に薬子の変を起こし、式家は衰退していきます。
同時期に、蔵人頭や検非違使が創設され天皇の権力が強まると、天皇との個人的関係が朝廷での影響力を維持する上で重要な要素となっていきました。
天皇との個人的な関係とは、文人として教養高いことや、官僚としての政務能力の高さ、皇族との縁戚関係などがありました。
文人としての才能を活かし昇進したのが宇多天皇に重用された菅原道真で、高い政務能力を買われ出世したのが桓武天皇の時代の菅野真道、仁明天皇の時代の伴善男などです。
天皇との縁戚関係としては、藤原氏以外にも、桓武天皇の母の家系である和氏、嵯峨天皇の皇后で仁明天皇の母嘉智子の一族の橘氏などが外戚として高い地位につくようになりました。
こうした中、藤原北家の冬嗣は、官僚として有能となり、このことで嵯峨天皇の信任を獲得し蔵人頭となりました。また、自らの娘の順子を後の仁明天皇の后とし、外戚として権力を高めていきます。
藤原冬嗣の子良房は、嵯峨天皇の死後、皇太子とされていた恒貞親王を廃し、仁明天皇と順子の子である道康親王を皇太子とした承和の変を起こしました。この変により、恒貞親王派だった橘逸勢や伴健岑などが処罰され、藤原家は更に権力を拡大しました。
良房は娘の明子を後の文徳天皇の后とし、二人の間に生まれた子を9歳で清和天皇として即位させました。こうして良房は、天皇の外祖父として実質的な摂政となりました。また、866年(貞観8年)には応天門の変を起こし、大納言伴善男を応天門の放火犯として弾劾し、失脚させました。
応天門の変の直後、良房は正式に摂政となり、その地位は養子の基経へ引き継がれました。基経はその後884年(元慶8年)に光孝天皇から関白に任命され、887年(仁和3年)の宇多天皇の即位後におきた阿衡の紛議により地位を確立しました。
891年(寛平3年)に基経が死去すると、宇多天皇は基経の長男の時平への対抗馬として、文人として高名だった菅原道真を抜擢し、道真はその後醍醐天皇の時代に右大臣にまで上り詰めますが、901年(延喜元年)に時平の陰謀により大宰府に左遷されました。
その後朱雀天皇の時代に入ると、時平の弟忠平が摂関になりました。10世紀前半の醍醐天皇・村上天皇の時代には摂関がおかれず、この時代はのちに「延喜・天暦の治」と呼ばれるようになります。
しかし、969年(安和2年)醍醐天皇の子で左大臣の源高明が藤原氏の陰謀により左遷された安和の変が起こると、朝廷や貴族社会における藤原氏の地位が確立し、以後摂政や関白が常置されるようになりました。
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