|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
黄河文明と殷・周の成立(仰韶文化、竜山文化、甲骨文字、封建制など) 受験対策問題 17 |
著作名:
レキシントン
33,525 views |
黄河文明と殷・周の成立で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
黄河文明
・中国では、更新世中期に北京原人、更新世後期には山頂洞人などの新人が出現し、次第に文明が成立していった。
・黄河文明は、黄河の中・下流域に原シナ人がひらいた農耕文明である。アワやキビを栽培し、新石器時代に仰韶文化、後に竜山文化、殷王朝の青銅器文化へと変化していった。
・仰韶文化とは、紀元前5000年から紀元前4000年にかけて、中国でおこった最古の新石器文化である。この文化の名は、素焼きの文様を施した彩文土器(彩陶)と言われる土器を、1921年スウェーデン人学者アンダーソンが河南省仰韶村で発見したことに由来する。仰韶文化の代表的遺跡は、半坡遺跡、姜寨遺跡である。
・竜山文化とは、仰韶文化ののち紀元前2000年から紀元前1500年前後に黄河下流域・遼東半島・長江流域でおこった新石器時代後期の文化である。この文化の名は、漆黒色で薄手の磨研土器である黒陶が使われた遺跡が、山東省竜山鎮で発見されたことに由来する。
・中国の新石器時代には鬲(れき)と鼎(てい)という三足土器が盛んに作られた。
・1973年に浙江省で河姆渡(かぼと)遺跡が発掘され、良渚文化などの長江文明の存在が明らかとなった。また、三星堆文化という四川省成都近辺の文明も明らかになった。
邑の成立と夏王朝
・竜山文化の末期から、邑(ゆう)という集落が各地にできはじめた。邑はやがて都市国家となり、王邑(都城)、大邑(国城)、小邑など、さまざまな形態のものが存在した。
・有力な邑は次第に他の邑を支配するようになり、それらの連合を邑制国家とよんだ。
・伝説では、中国には尭(ぎょう)・舜(しゅん)・禹(う)という三人の帝王がいたとされる。各王は善政を行い、尭は舜に、舜は禹に帝位を譲ったとされ、のちに儒家の孟子が理想化した。
・禹は伝説上最古の夏王朝を作り、この王朝は17代450年続いたとされる。王朝末期の桀王が暴君だったため、殷の湯王に倒され夏王朝は滅亡した。
殷王朝
・夏王朝の桀王を滅ぼした湯王は、紀元前16世紀頃に殷王朝を建てた。殷は、現在確認できる中国最古の王朝である。商という別名があり、これは中心となった大邑のことである。
・1950年に鄭州城、1899年に殷墟という遺跡が発掘された。特に、殷墟からは亀甲や獣骨に刻まれた甲骨文字が見つかり、合わせて青銅器、象牙、白陶、子安貝、べっ甲なども発掘された。殷墟の出土品から、甲骨文字は占いの結果を示しており、殷が神権政治を行い、銅と錫の合金である青銅器を用いた高度な文化だったことが明らかとなった。
周王朝
・殷の末期、紂王という暴君が出たため、臣下の武王が太公望らの助力を借りて牧野の戦いで紂王を破り、渭水流域に周王朝を建てた。
・周は紀元前11世紀から紀元前256年まで続いたが、前半の770年まで鎬京(現在の西安)を首都にしていた時代を西周、犬戎の攻撃により洛邑に遷都した770年以降を東周という。
・中国の王朝交代理論に易姓革命というものがある。天命を受けた徳のある人間が新たな天子になるという意味で、平和的に政権を譲る禅譲と、武力で政権を奪う放伐という2つの方法があるとされた。尭・舜・禹は禅譲、夏・殷・周は放伐であったとされる。
・周では、一族や臣下に封土を与え世襲の諸侯とし、代わりに貢納と軍役を課した。また、周王や諸侯は、それぞれ卿・大夫・士という家臣に采邑をあたえ、同じように義務を課した。これを封建制という。この封建制は、血縁を中心とした氏族的関係で、中世ヨーロッパの個人的契約に基づく封建制(フューダリズム)とは異なる。周では血縁関係が重視され、宗族という父系親族集団が支配階級の基盤となり、大宗(本家)と小宗(分家)に区別された。宗族内は宗法という厳格な規範が定められ、同姓不婚、嫡男長子の相続制、本家の優越などが決められた。
・周の時代の土地制度は井田制といわれ、『孟子』にその内容が書かれた。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
東南アジアの諸文明(大越、扶南、真臘、アンコール=ワットなど) 受験対策問題 16
>
春秋戦国時代と諸子百家(儒家、孔子、論語、法家など) 受験対策問題 18
>
古代中国の土地制度の変遷 ~封建制、郡県制、郡国制の違い~
>
儒教(儒学)の教えとは ~論語と孔子・孟子・荀子 弾圧の歴史と董仲舒による官学化~
>
中国の春秋戦国時代と活躍した人物
>
始皇帝と秦の統一(秦王政、郡県制、焚書坑儒、陳勝・呉広の乱など) 受験対策問題 19
>
春秋戦国時代と秦の比較
>
デイリーランキング
世界史
- 先史時代
- 先史時代
- 西アジア・地中海世界の形成
- 古代オリエント世界
- ギリシア世界
- ヘレニズム世界
- ローマ帝国
- キリスト教の成立と発展
- アジア・アメリカの古代文明
- イラン文明
- インドの古代文明
- 東南アジアの諸文明
- 中国の古典文明(殷・周の成立から秦・漢帝国)
- 古代の南北アメリカ文明
- 東アジア世界の形成と発展
- 北方民族の活動と中国の分裂(魏晋南北朝時代)
- 東アジア文化圏の形成(隋・唐帝国と諸地域)
- 東アジア諸地域の自立化(東アジア、契丹・女真、宋の興亡)
- 内陸アジア世界の形成
- 遊牧民とオアシス民の活動
- トルコ化とイスラーム化の進展
- モンゴル民族の発展
- イスラーム世界の形成と拡大
- イスラーム帝国の成立
- イスラーム世界の発展
- インド・東南アジア・アフリカのイスラーム化
- イスラーム文明の発展
- ヨーロッパ世界の形成と変動
- 西ヨーロッパ世界の成立
- 東ヨーロッパ世界の成立
- 西ヨーロッパ中世世界の変容
- 西ヨーロッパの中世文化
- 諸地域世界の交流
- 陸と海のネットワーク
- 海の道の発展
- アジア諸地域世界の繁栄と成熟
- 東アジア・東南アジア世界の動向(明朝と諸地域)
- 清代の中国と隣接諸地域(清朝と諸地域)
- トルコ・イラン世界の展開
- ムガル帝国の興隆と衰退
- ヨーロッパの拡大と大西洋世界
- 大航海時代
- ルネサンス
- 宗教改革
- 主権国家体制の成立
- 重商主義と啓蒙専制主義
- ヨーロッパ諸国の海外進出
- 17~18世紀のヨーロッパ文化
- ヨーロッパ・アメリカの変革と国民形成
- イギリス革命
- 産業革命
- アメリカ独立革命
- フランス革命
- ウィーン体制
- ヨーロッパの再編(クリミア戦争以後の対立と再編)
- アメリカ合衆国の発展
- 19世紀欧米の文化
- 世界市場の形成とアジア諸国
- ヨーロッパ諸国の植民地化の動き
- オスマン帝国
- 清朝
- ムガル帝国
- 東南アジアの植民地化
- 東アジアの対応
- 帝国主義と世界の変容
- 帝国主義と列強の展開
- 世界分割と列強対立
- アジア諸国の改革と民族運動(辛亥革命、インド、東南アジア、西アジアにおける民族運動)
- 二つの大戦と世界
- 第一次世界大戦とロシア革命
- ヴェルサイユ体制下の欧米諸国
- アジア・アフリカ民族主義の進展
- 世界恐慌とファシズム諸国の侵略
- 第二次世界大戦
- 米ソ冷戦と第三勢力
- 東西対立の始まりとアジア諸地域の自立
- 冷戦構造と日本・ヨーロッパの復興
- 第三世界の自立と危機
- 米・ソ両大国の動揺と国際経済の危機
- 冷戦の終結と地球社会の到来
- 冷戦の解消と世界の多極化
- 社会主義世界の解体と変容
- 第三世界の多元化と地域紛争
- 現代文明
- 国際対立と国際協調
- 国際対立と国際協調
- 科学技術の発達と現代文明
- 科学技術の発展と現代文明
- これからの世界と日本
- これからの世界と日本
- その他
- その他