更新日時:
|
|
高校古文『ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ』訳・解説・品詞分解 |
|
著作名:
走るメロス
66,036 views |
ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
このテキストでは、百人一首に収録されている歌「ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」のわかりやすい現代語訳・口語訳と解説(枕詞など)、そして品詞分解を記しています。この歌は、百人一首の他に、古今和歌集にも収録されています。
※百人一首は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ和歌集です。100人の歌人の和歌を、1人につき1首ずつ選んで作られています。
(※1)ひさかたの光のどけき春の日に (※2)しづ心なく花の散るらむ
ひさかたの ひかりのどけきはるのひに しづこころなく はなのちるらむ
日の光がこんなにものどかな春の日に、どうして桜の花だけは(落ち着いた心がなく)散っていってしまうのだろうか。
この歌の詠み手は、三十六歌仙の一人、紀友則(き の とものり)です。古今和歌集の撰者の一人としても知られています。いとこは土佐日記で有名な紀貫之です。
さて、この歌の楽しみかたです。まず「ひさかたの」は「光」にかかる枕詞です。「ひかりのどけき」は「光がのどかである」と訳しています。ここで言う「花」とは「桜の花」のことで、「暖かくなってきた春の日なのに桜の花だけはさっさと散っていってしまうのはなんでだろうか」という、慌ただしく散る桜を惜しむ気持ちを表した、とても日本らしい歌ですね。
(※1)ひさかたの | 「光」にかかる枕詞 |
(※2)しづ心 | 落ち着いた心 |
※名詞は省略してあります。
ひさかたの | ー(枕詞) |
光 | ー |
のどけき | ク活用の形容詞「のどけし」の連体形 |
春 | ー |
の | 格助詞 |
日 | ー |
に | 格助詞 |
しづ心 | ー |
なく | ク活用の形容詞「なし」の連用形 |
花 | ー |
の | 格助詞 |
散る | ラ行四段活用「ちる」の終止形 |
らむ | 現在の原因推量の助動詞「らむ」の連体形 |
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
『きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣片敷きひとりかも寝む』現代語訳と解説・品詞分解
>
西行法師『風になびく富士の煙の空に消えて ゆくへもしらぬわが思ひかな』現代語訳と品詞分解
>
『うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思へば』 わかりやすい現代語訳と品詞分解
>
百人一首『逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし』現代語訳と解説
>
源氏物語 桐壺 その7 父帝悲しみの日々
>
デイリーランキング
注目テキスト