更新日時:
|
|
イラン文明の興り ~セレウコス朝・パルティア・ササン朝の文化~ |
|
著作名:
エンリケ航海王子
40,950 views |
イランは、現在はイスラム教の国として成立していますが、イスラムの誕生以前に巨大な王朝がいくつも存在した地域でした。
このテキストでは、イラン付近でさまざまな王朝の勃興を見ていきましょう。
現在、イランと言われる地域に生活していたのは、もともと農耕や放牧で生計を立てていたイラン系民族でした。彼らは、アケメネス朝ペルシアの支配下に置かれた後、東方遠征の末アケメネス朝を滅ぼしたアレクサンドロス大王の領民となりました。
アレクサンドロスの死後、彼の広大な領土は分割され、イラン地方にはセレウコス朝シリアが建てられます。セレウコス朝シリアとは、アレクサンドロス大王の配下だった武将セレウコスがイラン高原を含む西アジアに建国した国です。
セレウコス朝は多くのギリシア人移民を受け入れ、一時期繁栄しますが、長く続きませんでした。
領内から、2つの国が独立してしまったからです。
弱体化したセレウコス朝は、最終的にローマ帝国によって滅ぼされてしまいます。
バクトリア(前255頃~前139年)はセレウコス朝内から一部のギリシア系住民が自立し建国した新しい国です。
バクトリアはヘレニズム文化を東方に伝えるという重要な役割を果たします。バクトリアがもたらしたヘレニズム文化は、インドのクシャーナ朝に大きな影響を与え、ガンダーラ美術を生み出すきっかけともなりました。最終的にスキタイ系トハラ人によって滅ぼされてしまいます。
パルティア(前248年頃~後226年)は、セレウコス朝の支配下のイラン人が建国者アルサケスによって率いられ独立した国です。アルサケス朝パルティアともいいます。
パルティアはその後、ミトラダテス1世のもとイラン地方で強力になり、ローマ帝国とたびたび争いました。ローマ三頭政治のひとり、クラッススは、この時のパルティアとの戦いで戦死しています。栄華を誇ったパルティアも次第に弱体化し、最終的にササン朝ペルシアに滅ぼされます。
1ページ
|
前ページ
|
1/3 |
次ページ |
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
最近見たテキスト
イラン文明の興り ~セレウコス朝・パルティア・ササン朝の文化~
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
世界史
- 先史時代
- 先史時代
- 西アジア・地中海世界の形成
- 古代オリエント世界
- ギリシア世界
- ヘレニズム世界
- ローマ帝国
- キリスト教の成立と発展
- アジア・アメリカの古代文明
- イラン文明
- インドの古代文明
- 東南アジアの諸文明
- 中国の古典文明(殷・周の成立から秦・漢帝国)
- 古代の南北アメリカ文明
- 東アジア世界の形成と発展
- 北方民族の活動と中国の分裂(魏晋南北朝時代)
- 東アジア文化圏の形成(隋・唐帝国と諸地域)
- 東アジア諸地域の自立化(東アジア、契丹・女真、宋の興亡)
- 内陸アジア世界の形成
- 遊牧民とオアシス民の活動
- トルコ化とイスラーム化の進展
- モンゴル民族の発展
- イスラーム世界の形成と拡大
- イスラーム帝国の成立
- イスラーム世界の発展
- インド・東南アジア・アフリカのイスラーム化
- イスラーム文明の発展
- ヨーロッパ世界の形成と変動
- 西ヨーロッパ世界の成立
- 東ヨーロッパ世界の成立
- 西ヨーロッパ中世世界の変容
- 西ヨーロッパの中世文化
- 諸地域世界の交流
- 陸と海のネットワーク
- 海の道の発展
- アジア諸地域世界の繁栄と成熟
- 東アジア・東南アジア世界の動向(明朝と諸地域)
- 清代の中国と隣接諸地域(清朝と諸地域)
- トルコ・イラン世界の展開
- ムガル帝国の興隆と衰退
- ヨーロッパの拡大と大西洋世界
- 大航海時代
- ルネサンス
- 宗教改革
- 主権国家体制の成立
- 重商主義と啓蒙専制主義
- ヨーロッパ諸国の海外進出
- 17~18世紀のヨーロッパ文化
- ヨーロッパ・アメリカの変革と国民形成
- イギリス革命
- 産業革命
- アメリカ独立革命
- フランス革命
- ウィーン体制
- ヨーロッパの再編(クリミア戦争以後の対立と再編)
- アメリカ合衆国の発展
- 19世紀欧米の文化
- 世界市場の形成とアジア諸国
- ヨーロッパ諸国の植民地化の動き
- オスマン帝国
- 清朝
- ムガル帝国
- 東南アジアの植民地化
- 東アジアの対応
- 帝国主義と世界の変容
- 帝国主義と列強の展開
- 世界分割と列強対立
- アジア諸国の改革と民族運動(辛亥革命、インド、東南アジア、西アジアにおける民族運動)
- 二つの大戦と世界
- 第一次世界大戦とロシア革命
- ヴェルサイユ体制下の欧米諸国
- アジア・アフリカ民族主義の進展
- 世界恐慌とファシズム諸国の侵略
- 第二次世界大戦
- 米ソ冷戦と第三勢力
- 東西対立の始まりとアジア諸地域の自立
- 冷戦構造と日本・ヨーロッパの復興
- 第三世界の自立と危機
- 米・ソ両大国の動揺と国際経済の危機
- 冷戦の終結と地球社会の到来
- 冷戦の解消と世界の多極化
- 社会主義世界の解体と変容
- 第三世界の多元化と地域紛争
- 現代文明
- 国際対立と国際協調
- 国際対立と国際協調
- 科学技術の発達と現代文明
- 科学技術の発展と現代文明
- これからの世界と日本
- これからの世界と日本
- その他
- その他