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【戦後恐慌、社会運動の高まり、張作霖爆殺事件】 受験日本史まとめ 70 |
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著作名:
Cogito
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山東出兵
五・四運動により民族運動が活発になった中国では、1924年(大正13年)に対立していた中国国民党と共産党が第一次国共合作を行い、孫文の死後国民党の指導者となった蒋介石(1887~1975)が国民革命軍総司令官となり、1926年(大正15年)に北伐を開始しました。
1927年(昭和2年)、国民革命軍は長江流域に進出し、漢口などのイギリス租界を回収しました。これに対しイギリスは、日本にも共同出兵を提案しましたが、日本政府の幣原喜重郎外相の対中国内政不干渉政策によりイギリスの提案を受け入れませんでした。同年南京で国民革命軍による米・英・日の総領事館襲撃がおこり死傷者がでたため、アメリカ・イギリスは報復として長江から軍艦による砲撃を行いましたが、このときも日本は同調行動を取りませんでした。この南京での事件に対し、列強から強い抗議を受けた蒋介石は、これらを共産党系勢力の行為として、同年4月に反共クーデター(四・一二クーデター)を行い共産党と絶縁し、南京に国民政府を樹立しました。
若槻内閣の幣原喜重郎外相は、協調外交と内政不干渉の原則に立ち、国民革命軍の北伐に対する干渉を避ける方針を取りました。こうした外交方針は、陸軍や国家主義団体、野党の立憲政友会や中国利権を持つ実業家らから弱腰外交と批判され、対中国強硬方針への転換を目指す動きも起こり始めました。雑誌『東洋経済新報』で小日本主義の立場から植民地放棄と貿易関係の重視を主張した石橋湛山などのジャーナリストもいましたが、ごく少数で、国民の大多数の支持を受けることはありませんでした。
1927年(昭和2年)4月、新たに立憲政友会の田中義一内閣が成立し、欧米諸国に対しては幣原喜重郎外相の協調外交方針を継続し、アメリカ・イギリスと海軍の補助艦制限に関するジュネーヴ軍縮会議に参加し(交渉不成立)、翌年パリで不戦条約に調印しました。
しかし、欧米諸国との協調外交に対し、対中国政策に関して強硬的な立場をとるようになり、1927年~28年(昭和2~3年)に日本人居留民保護を理由に3次にわたり山東出兵を行いました。この間、1928年(昭和3年)に済南で日本軍と北伐軍が交戦した済南事件が起こりました。
張作霖爆殺事件
第一次山東出兵後、田中内閣は外交当局者・軍首脳関係者を集め東方会議を東京で開き、中国の満蒙における日本の権益を保持し守るという方針を確認しました。こうして、日本政府は満州の実権を握る親日派軍閥の張作霖と交渉し、彼を通じて満州の権益拡大を求めました。しかし、張作霖は日本政府に対し必ずしも協力的ではなかったため、関東軍の一参謀が張作霖の排除を画策しはじめました。
関東軍とは、日露戦争後にロシアから獲得した旅順・大連など遼東半島南端(関東州)の租借権・鉄道利権を守るために派遣された守備軍のことです。関東州や鉄道の守備が主な任務でしたが、内部の参謀は幣原外交の対中国政策に強い不満を抱いていました。
関東軍の一参謀河本大作は、1928年(昭和3年)6月、北京から引き上げる張作霖の列車を部下に爆破させ、殺害しました。この張作霖爆殺事件は、当初関東軍当局が国民政府のゲリラ(南方の便衣隊)の仕業であると発表しましたが、田中義一首相は現地からの極秘情報で日本の軍人が犯人であると知りました。日本の議会では、「満州某重大事件」として野党が田中内閣の責任を追求し、首相は軍法会議の開催と真相究明を昭和天皇に上奏しました。しかし、陸軍大臣や陸軍当局は軍法会議開催に反対し、犯人は軽い行政処分になっただけでした。昭和天皇は上奏との食い違いを首相に厳しく叱責し、田中内閣は総辞職しました。こうした関東軍の暴走と陸軍当局の擁護は続き、後に満州事変や日中戦争へとつながっていきます。
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