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紀伝体とは わかりやすい世界史用語488 |
著作名:
ピアソラ
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紀伝体とは
紀伝体(きでんたい)は、東アジアの歴史書の書式の一つで、特に中国の歴史書において広く用いられています。この形式は、歴史を編年体(出来事を年代順に記述する形式)とは異なり、個々の人物や事件に焦点を当てて記述するものです。紀伝体は、歴史をより生き生きと、そして詳細に描写するための方法として発展しました。
紀伝体の起源は、中国の古代に遡ります。最も有名な例は、司馬遷(しばせん)によって紀元前1世紀に書かれた『史記』です。『史記』は、紀伝体の形式を確立し、その後の歴史書に大きな影響を与えました。『史記』は、帝王の伝記(本紀)と、重要な人物の伝記(列伝)から構成されており、この形式が紀伝体の基本となっています。
紀伝体の特徴は、以下の通りです:
本紀(ほんき):帝王や王朝の歴史を記述します。これは、王朝の成立から滅亡までの主要な出来事を年代順に記述する部分です。
列伝(れつでん):重要な人物の伝記を記述します。これには、政治家、軍人、学者、詩人など、さまざまな分野の人物が含まれます。
志(し):制度や文化、風俗など、特定のテーマに関する記述です。
表(ひょう):年代や系譜を表形式で示す部分です。
書(しょ):特定の出来事や政策に関する記述です。
紀伝体の利点は、歴史を人物や事件を通じて描写することで、読者にとって理解しやすく、興味深いものとなる点です。また、個々の人物の行動や性格を詳細に描写することで、歴史の背景やその時代の社会状況をより深く理解することができます。
一方で、紀伝体にはいくつかの欠点もあります。例えば、編年体に比べて、出来事の年代順の把握が難しくなることがあります。また、著者の主観が強く反映されるため、歴史の客観性が損なわれる可能性もあります。
紀伝体は、歴史を記述するための一つの方法であり、その形式や手法は時代や地域によって異なることがあります。しかし、その基本的な考え方は、歴史を人物や事件を通じて描写することであり、これにより歴史の理解を深めることができます。
紀伝体の歴史書は、単なる出来事の記録ではなく、歴史を生き生きと描写するための重要な手段です。これにより、歴史の背景やその時代の社会状況をより深く理解することができ、歴史を学ぶ上で非常に有益なものとなっています。
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