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複素数の四則計算
著作名: OKボーイ
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複素数の四則計算

ここでは、複素数の四則計算について述べたいと思います。
四則計算とは加法(足し算)、減法(引き算)、乗法(掛け算)、除法(割り算)のことですね。
【ポイント】
加法、減法、乗法は「i」を文字のように考えて計算する。


1:加法

(a+bi)+(c+di)

という式があったとしましょう。
ポイントのように、iを文字と考えて計算をします。すると

(a+bi)+(c+di)=(a+c)+(b+d)i
 
となりますね。実際に数字を当てはめて考えてみましょう。

例題

(3+2i)+(5-6i)を計算してみます。

(3+2i)+(5-6)i
=(3+5)+{(2+(-6)}i
=8-4i


今までやってきた計算となんら変わりませんね。

2:減法

続いて減法です。これも加法と同じようにiを文字と考えて解きます。

(a+bi)-(c+di)=(a-c)+(b-d)i

となります。数字を当てはめると以下のようになります。

例題

(3+2i)-(5-6i)を計算してみます。

(3+2i)-(5-6i)
=(3-5)+{(2-(-6)}i
=-2+8i



3:乗法

続いて乗法です。これもiを文字と考えて解いていきますが、1つだけ加法、乗法と違う点がでてきます。それが 「i²」です。

例えば、数式(a+bi)×(c+di)を展開してみます。

(a+bi)×(c+di)=ac+adi+bci+bdi²

このように式を展開していくと、i²がでてきます。
虚数の決まりごとから、

i²=ー1

なので、これを式に代入してまとめていきます。すると、

(a+bi)×(c+di)
=ac+adi+bci+bdi²
=ac+adi+bci-bd
=(ac-bd)+(ad+bc)i


となります。
実際に数字をいれて計算してみましょう。

例題

(3+2i)×(5-6i)を計算してみます。


(3+2i)×(5-6i)
=15-18i+10i-12i²
=15+12-8i
=27-8i


i²]にだけ注意していれば、問題なく解けるかと思います。

4:除法

最後に除法(割り算)です。除法は、今までの加法、減法、乗法とは少し違います。解くためのポイントはこちらです。

【ポイント】
複素数の割り算は、分母に分母の共役な複素数をかけて計算する


次の数式について考えてみます。

ALT


このとき、分母に、分母の共役な複素数「a-bi」をかけて計算を行います。
すると

ALT


これを整理するとと、

ALT


となります。

ではこれも実際に数字を入れて計算してみましょう。

例題

次の式を展開してみましょう。

ALT


分母に、分母「3+2i」の共役な複素数「3-2i」をかけます。すると、

ALT


となり、これを展開していくと、

ALT


となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
最後にもう1度ポイントをおさらいしてみましょう。

加法、減法、乗法はiを文字のように考えて計算する

複素数の割り算は、分母に分母の共役な複素数をかけて計算する

この2つが頭に入っておけば、複素数の計算は怖いものなしですね。

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