更新日時:
|
|
東西の緊張緩和(核実験停止条約、EUの誕生など) 受験対策問題 111 |
|
著作名:
レキシントン
7,472 views |
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
・第二次世界大戦中、アメリカは唯一の原爆使用国となったが、その後もビキニ環礁で原爆・水爆の実験を続けた。1954年3月1日、水爆実験で発生した死の灰をかぶり、日本の漁船が被曝した第五福竜丸事件が発生した。この事件以降、世界的に原水爆禁止運動が高まった。
・1955年7月、哲学者ラッセルと物理学者アインシュタインが共同でラッセル・アインシュタイン宣言を出し、核兵器の危険性を訴えた。これは原水爆禁止運動に大きな影響を与え、1955年8月に被爆国日本の広島において原水爆禁止世界大会が開催された。1957年には、ラッセル・アインシュタイン宣言に基づきパグウォッシュ会議が開催され、のちに科学者による核兵器禁止運動の中心組織となった。
・1963年8月以降、以下の核兵器に関する条約が結ばれた。
部分的核実験停止条約(1963) | 地下実験を除く大気圏・水中・宇宙における核実験を禁止。米・英・ソが参加。 |
核拡散防止条約(1968) | 核兵器保有を米・英・仏・ロシア・中国の五カ国に限定。56カ国が調印。 |
核戦争防止協定(1973) | 偶発的な核戦争を防止するための協定。米・ソが調印。 |
戦略核兵器制限交渉【SALT Ⅰ】(1972) | 戦略ミサイルの制限。 |
戦略核兵器制限交渉【SALT Ⅱ】(1979) | 戦略ミサイルの制限。総数を米ソ対等に。アメリカ議会が批准せず、85年に消滅。 |
国連軍縮特別総会(1978,82,88) | 原水爆禁止の世論に押され、開催された国連総会。 |
中距離核戦力全廃条約(1981) | 中距離ミサイルを廃棄し、その後も製造しないことを取り決めた。米ソ双方が合意した歴史的条約。 |
戦略兵器削減条約【START Ⅰ】(1991) | 核弾頭6000発、運搬手段1600以下に削減。 |
戦略兵器削減条約【START Ⅱ】(1991) | 核弾頭3000〜3500発に削減。 |
包括的核実験禁止条約【CTBT】(1996) | あらゆる核兵器の爆発実験を禁止。 |
・ドイツでは、ドイツ社会民主党や自由民主党に支えられたブラントが首相となり、東側諸国との和解を進めた東方外交を行い、のちにノーベル平和賞を受賞した。1970年にソ連=西ドイツ武力不講師条約(モスクワ条約)、西ドイツ=ポーランド国交正常化、東西ドイツ基本条約などの成果を出し、73年には東西ドイツが国連に同時加入した。ブラントのあとを継いだシュミットは、ECを強化した。
・1970年代に、米ソ間の緊張緩和をデタントという。1975年には全欧安保協力会議がヘルシンキで開かれ、これは1995年に全欧安保協力機構に改称された。この時出されたヘルシンキ宣言は、デタント精神の象徴となった。
・同じく70年代以降、各地で民主化が進んだ。ヨーロッパでは、ソ連共産党のリーダーシップを否定する新たな共産主義としてユーロコミュニズムが広まり、74年にポルトガル民主化、75年に独裁者フランコの死去によりスペインが民主化、フアン=カルロス1世が即位し、王政が復活した。またギリシアも民主制に復帰した。
・アジアでは、1971年に国連の代表権が台湾から 中華人民共和国に交代し、1972年にはニクソンが訪中、事実上中国を承認した。
・太平洋戦争後アメリカに占領されていた沖縄は、1972年5月に沖縄返還協定のもと日本に復帰し、沖縄県となった。
・同年、日本の田中角栄内閣は中国を訪問し、日中共同声明を発表、日中国交正常化を果たした。その後1978年には日中平和友好条約が結ばれた。
・1975年パリの郊外ランブイエでサミット(先進国首脳会議)の第一回が開かれた。ECは拡大ECとなり、加盟国が12カ国となった。
・ヨーロッパでは、欧州通貨制度・単一欧州議定書・シェンゲン協定など統合がすすみ、全欧首脳会議が開かれた。1992年2月、マーストリヒト条約により欧州統合は加速し、1993年、ECからさらに発展したEU(ヨーロッパ連合)が発足した。EUでは域内共通通貨としてユーロ(Euro)が用いられるようになった。
・イギリスはEUに加盟しなかったが、サッチャー首相のもと新保守主義が貫かれ、「イギリス病」を克服するための「小さな政府」による自由主義の強化が目指された。一方外交的には、北アイルランド紛争に武力介入したことから、IRA(アイルランド共和国軍)のテロに悩まされるようになった。また、アルゼンチンとイギリスが領有権をめぐりフォークランド紛争をおこした。サッチャー後のメージャー政権やブレア政権はアメリカとの共同歩調をとった。
・フランスでは、ジスカールデスタン政権下で第1回サミットが開かれたが、その後ミッテラン政権では経済成長が順調に進まなかった。その後のシラク政権は、イギリス主導のイラク戦争に反対し評価を上げた。
・ドイツでは、コール政権時にベルリンの壁が崩壊し、1990年東欧革命を機にドイツ統一を果たした。統一後のドイツは経済が成長した一方、国内では外国人労働者問題やネオ=ナチなどの問題がおこっている。1998年以降のシュレーダー政権では、原発の全廃が決められ、アメリカのイラク戦争に対する強攻策に反対し、国民の支持を受けた。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
冷戦期のアメリカ・ソ連(ケネディ暗殺、公民権運動、プラハの春など) 受験対策問題 110
>
冷戦の終わり(ペレストロイカ、ソ連の崩壊など) 受験対策問題 112
>
最近見たテキスト
東西の緊張緩和(核実験停止条約、EUの誕生など) 受験対策問題 111
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
注目テキスト
世界史
- 先史時代
- 先史時代
- 西アジア・地中海世界の形成
- 古代オリエント世界
- ギリシア世界
- ヘレニズム世界
- ローマ帝国
- キリスト教の成立と発展
- アジア・アメリカの古代文明
- イラン文明
- インドの古代文明
- 東南アジアの諸文明
- 中国の古典文明(殷・周の成立から秦・漢帝国)
- 古代の南北アメリカ文明
- 東アジア世界の形成と発展
- 北方民族の活動と中国の分裂(魏晋南北朝時代)
- 東アジア文化圏の形成(隋・唐帝国と諸地域)
- 東アジア諸地域の自立化(東アジア、契丹・女真、宋の興亡)
- 内陸アジア世界の形成
- 遊牧民とオアシス民の活動
- トルコ化とイスラーム化の進展
- モンゴル民族の発展
- イスラーム世界の形成と拡大
- イスラーム帝国の成立
- イスラーム世界の発展
- インド・東南アジア・アフリカのイスラーム化
- イスラーム文明の発展
- ヨーロッパ世界の形成と変動
- 西ヨーロッパ世界の成立
- 東ヨーロッパ世界の成立
- 西ヨーロッパ中世世界の変容
- 西ヨーロッパの中世文化
- 諸地域世界の交流
- 陸と海のネットワーク
- 海の道の発展
- アジア諸地域世界の繁栄と成熟
- 東アジア・東南アジア世界の動向(明朝と諸地域)
- 清代の中国と隣接諸地域(清朝と諸地域)
- トルコ・イラン世界の展開
- ムガル帝国の興隆と衰退
- ヨーロッパの拡大と大西洋世界
- 大航海時代
- ルネサンス
- 宗教改革
- 主権国家体制の成立
- 重商主義と啓蒙専制主義
- ヨーロッパ諸国の海外進出
- 17~18世紀のヨーロッパ文化
- ヨーロッパ・アメリカの変革と国民形成
- イギリス革命
- 産業革命
- アメリカ独立革命
- フランス革命
- ウィーン体制
- ヨーロッパの再編(クリミア戦争以後の対立と再編)
- アメリカ合衆国の発展
- 19世紀欧米の文化
- 世界市場の形成とアジア諸国
- ヨーロッパ諸国の植民地化の動き
- オスマン帝国
- 清朝
- ムガル帝国
- 東南アジアの植民地化
- 東アジアの対応
- 帝国主義と世界の変容
- 帝国主義と列強の展開
- 世界分割と列強対立
- アジア諸国の改革と民族運動(辛亥革命、インド、東南アジア、西アジアにおける民族運動)
- 二つの大戦と世界
- 第一次世界大戦とロシア革命
- ヴェルサイユ体制下の欧米諸国
- アジア・アフリカ民族主義の進展
- 世界恐慌とファシズム諸国の侵略
- 第二次世界大戦
- 米ソ冷戦と第三勢力
- 東西対立の始まりとアジア諸地域の自立
- 冷戦構造と日本・ヨーロッパの復興
- 第三世界の自立と危機
- 米・ソ両大国の動揺と国際経済の危機
- 冷戦の終結と地球社会の到来
- 冷戦の解消と世界の多極化
- 社会主義世界の解体と変容
- 第三世界の多元化と地域紛争
- 現代文明
- 国際対立と国際協調
- 国際対立と国際協調
- 科学技術の発達と現代文明
- 科学技術の発展と現代文明
- これからの世界と日本
- これからの世界と日本
- その他
- その他