更新日時:
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枕草子 原文全集「七日の日の若菜を」 |
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著作名:
古典愛好家
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七日の日の若菜を、六日、人の持て来(き)、さわぎとりちらしなどするに、見も知らぬ草を、子どものとり持てきたるを、
「なにとか、これをばいふ」
と問へば、とみにもいはず、
「いま」
などこれかれ見あはせて、
「耳無草となむいふ」
といふもののあれば、
「むべなりけり。聞かぬ顔なるは」
と笑ふに、またいとをかしげなる菊の生ひいでたるを持て来たれば、
つめどなほ耳無草こそあはれなれ あまたしあればきくもありけり
といはまほしけれど、またこれも聞きいれるべうもあらず。
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