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通貨と金融~資金循環と金融市場について~ |
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著作名:
逆転検事
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経済活動が行われる際、製品やサービスと同時に、資金も循環していきます。もし資金循環がなければ経済活動は行われなくなります。資金は経済にとって血液のようなものです。このテキストでは、その経済循環について見ていきたいと思います。
みなさん通貨といえばとんなイメージをお持ちですか?自分のほしい商品やサービスを買うことの出来る大切なものですよね。財やサービスは通貨を通じて、様々な経済主体のもとへともたらされます。
さて、そんな通貨ですが、昔は巨大な石や貝だったそうです。狩猟時代を経て、人類は自分たちの持つモノを交換する様になります。物々交換ですね。でも物々交換は結構不便です。例えば漁師が釣った魚を交換したいと思っても、それをほしいと思う人が近くにいない場合、魚が腐る前に頑張って相手を探さなくてはいけません。このような不便な状況を解決するために貨幣が発明されたのです。
物々交換の不便さを解消するために発明された通貨ですが、その役割や機能はどのようなものでしょう?一般的には次の4つがあると言われます。
物々交換の時代にはモノの価値というのは曖昧で、常に価値が変わってしまう可能性がありました。しかし通貨の登場のおかげで、モノの価値というものが常に同じ尺度で表されるようになりました。客観的で公平な取引ができるようになったのです。
物々交換の時代、取引は自分がほしい物を相手も持っていなければ成立することができませんでした。通貨の登場によって、同じ価値尺度の通貨を交換することで、自分のほしい物のみを得るために取引ができるようになりました。
これは先程の魚の例ですね。通貨は腐ったりしないので、価値を貯蔵することが出来るようになりました。貯めた通貨はいつでも取引に使うことが出来ます。
通貨は、決済の手段として機能します。債務を通貨で支払うことが出来るようになったのです。
通貨そのものの機能についてお話ししましたが、次に通貨制度について見ていきましょう。
通貨制度というのは、文字通り通貨の使用する取り決めのことです。通貨制度自体は二つの制度に分けることが出来ます。
人類の歴史では、通貨は石や貝に始まり、長らく金や銀などの材料が使われていました。そのため、金属を通貨の価値と同一と定めたのが金属本位制です。ただ近代に入り、金が通貨としての価値を示したので、一般的には金本位制といいます。
金本位制は1816年に制定されたイギリスの通貨条例がきっかけで成立しました。金の価値が物の価値を測る尺度として決まり、金本位制の中央銀行は兌換紙幣(兌換銀行券)を発行するようになります。そのため、金本位制を採用した各国の通貨流通量は、必然的に中央銀行が保有する金の量に比例しました。
(1817年発行のイギリス金貨)
兌換紙幣とは、その紙幣を中央銀行に持っていけば、いつでも金と交換しますよと約束された銀行券のことです。
ところがこの金本位制は、第一次世界大戦と世界恐慌によって各国が経済的に大きな痛手を受けたため、崩壊していしまいます。
世界恐慌の後、世界各国は金との交換ができない不換紙幣を発行する管理通貨制度に移行します。イギリスの経済学者ケインズが提唱した通貨管理制度は、金による裏付けが無いために中央銀行の裁量によって通貨の流通量が決まります。アメリカは第二次世界大戦後も金とドルの兌換をしてきましたが、1971年にニク ソンショックを経て、名実ともに国際的な管理通貨制度が確立しました。
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