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化学基礎 pHの求め方~基礎~
著作名: 藤山不二雄
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pHを求める方法

このテキストでは、一緒にpHを求める問題を解きながらその基礎についてみてみましょう。


pHを求めるために押えておくべきポイント

まずは問題に入る前に押さえておくべきポイントです。
水素イオン濃度[H⁺]=酸の価数×酸のモル濃度×酸の電離度

水酸化物イオン濃度[OH⁻]=塩基の価数×塩基のモル濃度×塩基の電離度

電離度=電離している酸(塩基)のmol÷溶液に溶かした酸(塩基)のmol


これらを踏まえた上で問題をみていきましょう。


問題

次の水溶液のpHを求めよ

(1)0.01mol/lの塩酸(電離度は1とする)

塩酸は1価の酸なので、価数は1です。

水素イオン濃度[H⁺]=酸の価数×酸のモル濃度×酸の電離度

から、水素イオン濃度は

[H⁺]=1×0.01×1=0.01=10⁻²

この乗数の部分がそのままpHの値になるので、この水溶液のpHは2となります。


(2)0.005mol/lの硫酸(電離度は1とする)

(1)と同じように解いていきます。ただし、 硫酸は2価の酸であることに注意です。

水素イオン濃度は、

[H⁺]=2×0.005×1=0.01=10⁻²

よってこの水溶液のpHは2です。

(3)0.001mol/lの酢酸(ただし電離度は0.01とする)

もう慣れてきましたね。酢酸は1価の弱酸です。
水素イオン濃度は、

[H⁺]=1×0.001×0.01=0.00001=10⁻⁵

水溶液はpH5を示します。



(4)0.001mol/lの水酸化ナトリウム水溶液(ただし電離度は1とする)

水酸化ナトリウム水溶液が電離すると

NaOH→Na⁺+OH⁻

となります。ここでちょっと考えてみましょう。
水溶液のpHは、水素イオン濃度がわかって初めて求めることができるのですが、この電離式には水酸化物イオン濃度しか存在していません。このような場合にどうすればよいのでしょうか?

そこで思い出してみてください。

水素イオン濃度×水酸化物イオン濃度=1.0×10⁻¹⁴…①


であることを。すなわち水酸化イオン濃度を求めてから、①の式に代入すればよいのです。

水酸化イオン濃度は、

[OH⁻]=1×0.001×1=0.001=10⁻³

①の式より、

[H⁺]=10⁻¹¹

よってpHは11となります。



以上4つみてきたように、水素イオン濃度を求めるとpHがわかります。
水素イオン濃度を何が何でも求める。

これが解答への近道です。

電離度が与えられていない場合の練習問題

pHの求め方~応用~

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