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"古学"-江戸初期における学問
著作名: zed
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古学

江戸時代に盛んであったのが儒教、とくに朱子学でした。しかしそんなご時世の中で、朱子学ではなく、孔子や孟子の教えこそが人間の生きるべき道を本当に表した書物ではないかという考えが出てきます。これがいわゆる古学です。
代表的な古学学者

代表的な古学の学者として伊藤仁斎山鹿素行荻生徂徠がいます。
伊藤仁斎

伊藤仁斎は、孔子の教えの中でも「」を重要視しました。人が互いに愛しあう姿こそが、人間本来の正しい在り方であり、それを実践するためには「」の心が必要だと説いたのです。
この考えは、まさに伝統的なの日本人の心に通じるものがありますね。

また伊藤仁斎は古義堂という私塾を開いて後進の育成にも力をいれました。



山鹿素行

山鹿素行は、士農工商の身分制度で頂点にたつ、武士の正しい在り方とは何かについて説きました。
論語の教えをもとに、上に立つ者こそ民衆の前にたって道徳を説き、社会秩序を築いていかなければならない。そのために日々教養を身につけなければならないと唱えました。

朱子学を批判したことから赤穂藩へと流されてしまいますが、そこでも藩の教育を行いました。赤穂浪士の討ち入りで有名な大石内蔵助も彼の門人です。
荻生徂徠

荻生徂徠は、5大将軍徳川綱吉の政治顧問を務めた人物です。孔子の教えである「仁」を、正しい社会秩序を保つためには為政者にとって必要不可欠なものであると考えました。プライベートな感情によって政治を行うよりも、その行為がどういう影響を与えるのかをまず考えることを主張し、幕府にもそれを求めました。

荻生徂徠を祖とする学派のことを古文辞学派と言います。

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