更新日時:
|
|
化学基礎 イオンの性質とイオン式 |
|
著作名:
藤山不二雄
35,464 views |
希ガス以外の原子には、一番近い希ガスに近づこうとする性質があります。
ちなみに希ガスとは、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)、Rn(ラドン)のことを指します。
これらの希ガスは、 最外殻電子が8個(ヘリウムの場合は2個)と非常に電子の配置が安定しています。逆を言えば、希ガス以外の原子は非常に不安定なバランスにあるわけです。そのために安定を求めて、安定している希ガスの状態に近づこうとする性質があるのです。
例えばNa(ナトリウム)原子は、1個の価電子を失い、Ne(ネオン)と同じ電子配置をとります。この状態のことを「」 と記し、プラスの電荷を持った陽イオンであると言います。
一方でCl(塩素)原子は、1個の価電子を外部から得て、Ar(アルゴン)と同じ電子配置をとります。この状態のことを「」と記し、マイナスの電荷を持った陰イオンであると言います。
しかしなぜ、価電子を失ったものが陽イオン、価電子を得たものが陰イオンと言うのでしょうか?
よくよく考えてみてください。
そもそも、電子とは「-の電気を帯びたもの」でしたよね。(陽子がプラスの電気、中性子は中性)。すなわち、ここで価電子を失うということは、マイナスの電子をひとつ失うということ、価電子を得るということはマイナスの電子をひとつ得るということなのです。
もうおわかりでしょう。マイナスの電子を失ったので、プラスに転じる。マイナスの電子を得たのでマイナスに転じるというわけです。
価電子を失ったものが陽イオン、価電子を得たものが陰イオンとややこしいので注意が必要です。
先ほど出てきたように、イオンの状態にあることを「」 や「」 と記しましたが、この式のことを イオン式と言います。
水素イオン「」、マグネシウムイオン「」 のように価電子をいくつ失うか、またはいくつ得るかで元素記号の横についてくる数字が変わってきます。
ちなみに、「」 や「」 のように1個の原子がイオンとなった場合のものを単原子イオン、「」や「」 のように原子の塊がイオンとなった場合のものを多原子イオンと言います。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
鉄(Ⅱ)と鉄(Ⅲ)の違い。なぜ化学式が異なるのか(鉄Ⅱイオンと鉄Ⅲイオン)
>
金属のイオン化傾向
>
化学基礎 イオンとは
>
最近見たテキスト
化学基礎 イオンの性質とイオン式
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
化学
- 化学基礎:物質の構成
- 化学基礎:単体/化合物/混合物
- 化学基礎:熱運動と物質の三態
- 化学基礎:原子の構造
- 化学基礎:電子配置と周期表
- 化学基礎:イオンとイオン結合
- 化学基礎:金属と金属結合
- 化学基礎:分子と共有結合
- 化学基礎:物質の変化
- 化学基礎:原子量・分子量と物質量
- 化学基礎:化学反応式
- 化学基礎:酸と塩基
- 化学基礎:水素イオンとpH
- 化学基礎:中和反応
- 化学基礎:酸化還元反応
- 化学:物質の状態とその変化
- 化学:状態変化/分子間力/化学結合/固体の構造
- 化学:気体の法則
- 化学:溶液
- 化学:物質の変化と平衡
- 化学:化学反応と熱・光
- 化学:電気分解/電池
- 化学:化学反応と化学平衡
- 化学:反応速度
- 化学:可逆反応/化学平衡とその移動
- 化学:電離平衡
- 化学:無機物質
- 化学:典型元素
- 化学:遷移元素
- 化学:有機化合物
- 化学:炭化水素
- 化学:官能基を含む有機化合物
- 化学:芳香族化合物
- 化学:高分子化合物
- 化学:合成高分子化合物
- 化学:天然高分子化合物
- その他
- その他