スリランカ民主社会主義共和国（以下「スリランカ」、英語ではDemocratic Socialist Republic of Sri Lanka）は、インド大陸（インド亜大陸）の南東に位置する共和制国家です。かつては正論の名で知られました。首都はスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ、最大の年はコロンボです。。

このテキストでは、スリランカの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の８つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。




スリランカ民主社会主義共和国は、南アジアに位置する65,610平方キロメートル（陸地面積64,740平方キロメートル、水面積870平方キロメートル）の島国です。海岸線は1,340キロメートルに及び、インド洋に面しています。

気候は熱帯モンスーン気候に属し、12月から3月にかけては北東モンスーン、6月から10月にかけては南西モンスーンの影響を受けます。

地形は主に低く平坦な平野が広がり、南中央の内陸部には山々がそびえ立ちます。最高峰はピドゥルタラガラ山で、標高2,524メートルに達します。

石灰石、グラファイト、鉱物砂、宝石、リン酸塩、粘土、水力発電といった豊富な天然資源に恵まれ、国土の約13.86%が耕作地、15.7%が永続作物栽培地として利用されています。多様な生態系が息づくこの島は、まさに生命の宝庫です。



スリランカの人口は2,308万人（2024年推定、CIA World Factbook）。多岐にわたる民族が共存するモザイク国家であり、その多様性は当国の大きな魅力の一つです。主要な民族構成は、

・シンハラ人（74%）
・タミル人（18%）
・ムーア人（7%）
・バーガー人
・マレー人及びヴェッダ人（計1%）

です（CIA World Factbook、1999年）。宗教もまた多様で、仏教徒が70%、ヒンドゥー教徒が15%、キリスト教徒が8%、イスラム教徒が7%を占めています（CIA World Factbook、1999年）。これらの民族と宗教が互いに尊重し合い、豊かな文化を育んでいます。



スリランカでは、シンハラ語とタミル語が国民共通語であり、公用語として定められています。全人口の74%がシンハラ語を、18%がタミル語を話し、その他8%がそれ以外の言語を使用します（CIA World Factbook、1999年）。ビジネスや観光においては英語も広く通用しており、国際的なコミュニケーションも円滑に行うことができます。この多言語環境は、スリランカ社会の多様性と国際性を示すものです。



スリランカ経済は近年、歴史的な経済危機からの力強い回復を遂げています。2024年第1四半期には5%の実質GDP成長率を記録し、特に建設業や食品・飲料製造業などの産業部門が牽引役となりました。また、観光関連サービス業も好調を維持しています。

主要産業には、ゴム、紅茶、ココナッツ、その他の農産物の加工、衣料品、セメント、石油精製、繊維、タバコなどが挙げられます。世界銀行は、スリランカが年間100億ドルの未開拓の輸出潜在力を有していると指摘しており、今後も経済成長と雇用の創出が期待されています。



スリランカは、ユネスコ世界遺産に登録された数々の史跡や息をのむような自然の美しさを誇る、魅力的な観光地が豊富です。主な観光地としては、古代都市の壮大さを今に伝える「シーギリヤロック」や、仏歯が安置されている聖地「仏歯寺」（キャンディ）などが挙げられます。

他にも、熱帯雨林や野生動物との出会いを提供する「サファリ」、著名な建築家ジェフリー・バワが手掛けた「バワ建築」群、そして歴史的な港町「ゴール旧市街」など、訪れる人々を魅了する場所が多数存在します（スリランカナビ）。手つかずのビーチでのリラックスから、古代遺跡の探訪、豊かな自然の中でのアドベンチャーまで、あらゆる旅のスタイルに応えることができます。



スリランカの文化は、上座部仏教の強い影響を基盤とし、南インドや植民地時代のヨーロッパ文化が融合した多様な様相を呈しています。年間を通して数多くの祭りが祝われ、仏教のポヤの日、ヒンドゥー教のポンガルやディーパバリ、キリスト教のクリスマスやイースター、イスラム教のラマザンやメッカ巡礼の祭りなどが国中で祝われます。

絵画、建築、彫刻が主要な芸術形式であり、ダンブッラやシーギリヤの石窟寺院、キャンディの仏歯寺などでその歴史的遺産を見ることができます。また、粘土細工、仮面作り、木工品、そしてポルトガル人によって伝えられたレース細工、インドネシアから伝わったバティック産業も盛んです。

舞台芸術では、民俗舞踊、古典舞踊、キャンディアン・ダンスが有名で、鮮やかな衣装と太鼓の音が特徴的です。スリランカ料理は、エキゾチックな果物や野菜、そして豊かなスパイスを巧みに使用した、甘味、辛味、酸味のバランスが取れた多様な味わいが魅力です。

また、スリランカは世界有数の紅茶輸出国であり、「セイロンティー」は当国の文化の重要な一部であり、温かいおもてなしの象徴でもあります。健康とウェルネスの分野では、アーユルヴェーダが重要な役割を担っており、瞑想と地元の食材を用いた伝統医療が根付いています



スリランカの国技はバレーボールですが、国民を最も熱狂させるのはクリケットです。クリケットはイギリス植民地時代の影響で普及し、国民のアイデンティティや誇りの源となっています。ワールドカップなどの国際試合では、国中がテレビやラジオに釘付けになるほどの熱狂ぶりを見せます。1996年にはクリケットワールドカップで優勝を果たし、その名を世界に轟かせました。

その他にも、ラグビー、モータースポーツ、水泳、陸上競技なども人気があります。また、「チーナ・ディ」や「アンガンポーラ」といったスリランカ固有の武道も受け継がれています。



日本とスリランカは、長きにわたり強固な友好関係を築いてきました。特に経済協力は密接であり、日本はスリランカにとって重要な開発パートナーです。日本の政府開発援助（ODA）は、スリランカのインフラ整備や人材育成に貢献してきました。近年では、経済協力政策協議が定期的に開催され（直近では令和7年7月8日）、債務再編に関する二国間合意（令和7年3月7日）など、両国間の経済関係は多岐にわたります。

要人往来も活発に行われており、日本の外務大臣政務官とスリランカ外務大臣や財務・計画副大臣との会談（令和7年2月）が頻繁に行われるなど、緊密な対話が続けられています。