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「エストニア共和国」について調べてみよう
著作名: 早稲男
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エストニア共和国

エストニア共和国(以下「エストニア」、英語ではRepublic of Estonia)は、、ヨーロッパ北東部にある共和制国家で、バルト三国のひとつです。首都はタリンです。

このテキストでは、エストニア共和国の特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。


1.国土:バルト海のデジタル先進国

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エストニアの国土面積は約45,000平方キロメートルで、九州(周辺の島々を含む)とほぼ同じ大きさです。北はフィンランド湾、西はバルト海に面し、東はロシア、南はラトビアと国境を接しています。国土の約半分が森林で覆われており、自然豊かな風景が広がっています。また、2,000以上の島々を有し、その中でもサーレマー島やヒーウマー島は特に大きく、観光地としても知られています。

亜寒帯気候に属し、四季がはっきりしています。夏は涼しく過ごしやすいですが、冬は寒さが厳しく、降雪量も多いです。


2.人口と人種

エストニアの人口は約132万人(外務省)で、人口密度は比較的低いです。主要な民族構成は、エストニア人が約69%、ロシア人が約25%、その他少数民族やウクライナ、ベラルーシ、フィンランドの方が居住しています。歴史的背景から、多民族共生の社会が形成されています。

エストニアは世界で初めて「デジタル市民権(e-Residency)」を導入した国です。これにより、世界中の人々がエストニアのデジタルサービスを利用し、ビジネスを行うことが可能になりました。


3.言語

公用語はエストニア語で、フィン・ウゴル語族に属し、フィンランド語と近縁関係にあります。ロシア語も広く理解されており、特にロシア系住民の間で使用されています。英語は若年層やビジネスシーンで一般的に通用し、外国人とのコミュニケーションにも支障が少ないです。


4.主な産業

エストニアの経済は、デジタル技術と自然資源を基盤としています。

IT産業

エストニアは「電子国家」として知られ、IT産業が非常に発展しています。電子居住権(e-Residency)プログラムを世界で初めて導入し、世界中の人々がエストニアに法人を設立しやすい環境を整えています。また、SkypeやTransferWiseなどの有名なIT企業もエストニアから生まれました。デジタル技術は経済の重要な柱となっています。

林業

森林資源が豊富なため、木材加工業も盛んです。

観光業

美しい自然や歴史的な街並みが観光客を魅了しており、観光業も成長しています。

農業

国土の約22%が農地であり、主に穀物、ジャガイモ、野菜などが生産されています。(世界銀行)


5.主な観光地:歴史と自然の調和

エストニアには、中世の街並みが残るタリンの旧市街や、美しい自然を満喫できる国立公園など、魅力的な観光地が数多くあります。

タリン旧市街

中世の街並みが残るタリンの旧市街は、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。石畳の道や歴史的な建造物が立ち並び、アレクサンドル・ネフスキー大聖堂やアレクサンドル・ネフスキー大聖堂などが観光客に人気のスポットです。

ラヘマー国立公園

海岸線、森林、湿地など、多様な自然環境が楽しめる国立公園です。

ソーマー国立公園

ヨーロッパでも有数の手つかずの自然が残る国立公園で、カヌーやハイキングが楽しめます。

タルトゥ

エストニア第2の都市で、歴史的な大学都市として知られています。

サイマー湖

エストニア最大の湖で、美しい湖畔の風景が楽しめます。


6.文化

エストニアは歌と踊りの伝統が深く根付いており、5年ごとに開催される「歌と踊りの祭典」は、数万人の参加者が集まる大規模なイベントです。また、フィンランドやロシアなど周辺国の影響を受けつつ、独自の文化を育んできました。文学や音楽、演劇などの分野でも多くの才能が輩出されています。


7.スポーツ:自然と共生するアクティビティ

エストニアでは、自然の中で楽しめるスポーツが人気です。

クロスカントリースキー

冬は、クロスカントリースキーが盛んです。

ハイキングとサイクリング

夏は、ハイキングやサイクリングが楽しめます。

カヌーとカヤック

湖や川が多く、カヌーやカヤックも人気です。

バスケットボール

エストニアでは、バスケットボールも人気のスポーツです。


8.日本との関係

日本とエストニアは、1921年の外交関係樹立以来、友好関係を維持してきました。近年では、特にデジタル分野における協力が深化しています。

デジタル分野における協力

政府間協力

両国政府は、デジタル分野での協力に関する覚書を締結し、電子政府、サイバーセキュリティ、データ利活用など、様々な分野で政策対話や情報交換を行っています。

サイバーセキュリティ

エストニアは、NATOサイバー防衛協力センター (CCDCOE) を有するなど、サイバーセキュリティ分野の先進国です。日本は、エストニアの知見を活かし、サイバーセキュリティ能力の向上を図っています。

デジタルガバメント

エストニアは、世界最先端のデジタル政府を構築しており、行政手続きのオンライン化、デジタルIDの普及など、多くの分野で日本に先行しています。日本は、エストニアの経験を参考に、デジタル庁の設置など、行政のデジタル化を推進しています。

民間企業間の連携

IT、通信、金融など、様々な分野で、日本とエストニアの民間企業間の連携が進んでいます。

スタートアップ

エストニアは、スタートアップの設立・成長を支援する環境が整備されており、「バルト海のシリコンバレー」とも呼ばれています。日本の企業は、エストニアのスタートアップとの連携を通じて、新たな技術やビジネスモデルの創出を目指しています。

投資

日本のベンチャーキャピタルや企業は、エストニアのスタートアップに投資を行っています。また、エストニアの企業も、日本市場への進出を図っています。

経済交流

貿易

日本とエストニアの貿易額は、近年増加傾向にあります。主な輸出品目は、日本からは自動車、機械類、電子機器など、エストニアからは木材、家具、機械類などです。(財務省貿易統計)

投資

日本の企業は、エストニアにIT、製造業、サービス業など、様々な分野で投資を行っています。

人材交流

留学

エストニアの大学には、IT、ビジネス、デザインなど、様々な分野で学ぶことができるコースがあります。日本の学生は、エストニアの大学に留学し、先進的な知識や技術を習得することができます。

ワーキングホリデー

日本とエストニアの間にはワーキングホリデー制度があり、両国の若者は、互いの国で働きながら、文化や生活を体験することができます。

友好関係

2007年には、秋篠宮皇嗣同妃両殿下がエストニアを公式訪問されました。また、2021年は、日本とエストニアの外交関係樹立100周年にあたり、両国で様々な記念行事が開催されました。

今後日本とエストニアは、デジタル分野を軸とした経済協力を強化することで、両国の経済成長と社会発展に貢献していくことが期待されます。


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