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百人一首『小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ』現代語訳と解説(句切れなど)
著作名: 走るメロス
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百人一首(26)貞信公/歌の意味と読み、現代語訳、単語、品詞分解


小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ


このテキストでは、百人一首に収録されている歌「小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ」の現代語訳・口語訳と解説(句切れなど)、そして品詞分解を記しています。この歌は、百人一首の他に、拾遺和歌集大和物語にも収録されています。



百人一首とは

百人一首は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ和歌集です。100人の歌人の和歌を、1人につき1首ずつ選んで作られています。

原文

(※1)小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの (※2)みゆき待たなむ

ひらがなでの読み方

をぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ



現代語訳

小倉山の峰の紅葉の葉よ。(もしお前に)心があるのならば、今一度、天皇のお出ましがあるのを(散らずに)待っていてほしい。

解説・鑑賞のしかた

この歌の詠み手は、平安時代の貴族、藤原忠平(ふじわら の ただひら)です。百人一首に収録されている貞信公(ていしんこう)という名は、死後に贈られたものです。ちなみに忠平の兄は、菅原道真を失脚させたことでも知られる藤原時平です。

都の西を流れる大堰川に宇多上皇がお出かけになった際、小倉山の紅葉の美しさに感嘆し、息子の醍醐天皇にも見せてあげたいと口にされたのを聞いた作者が詠んだ歌とされています。

主な技法・単語・文法解説

単語

(※1)小倉山京都市の北西にある山。大堰川を挟んで嵐山と向かい合う
(※2)みゆき行幸。天皇の外出を敬って表す言葉。ここでは醍醐天皇のことを敬って使用されている


句切れ

二句切れ。

品詞分解

※名詞は省略しています。



小倉山
格助詞
もみぢ葉
あらラ行変格活用「あり」の未然形
接続助詞
ひとたび
格助詞
みゆき
待たタ行四段活用「まつ」の未然形
なむ願望の終助詞



著者情報:走るメロスはこんな人

学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。

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