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自然法から社会契約説に至るまで2~ロック~ |
著作名:
zed
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前回の続き
前回はグロティウスの唱えた自然法を最初に考え、それから派生した社会契約説(特にホッブス)について説明をしました。今回はその2回目で、ここではロックについてみていきましょう。
ホッブスの唱えた社会契約説に、抵抗権や革命権を付け加えた社会契約説を唱えたのがロックです。
ロックの考えた社会契約説
ロックは17世紀イギリスの哲学者です。議会制民主主義を唱えて、アメリカの独立やフランス革命に大きな影響を与えた思想家でもありました。
より強力な国家をつくり上げるために、人間が生まれながにして持っている自然権を国家に譲渡するというのがホッブスの唱えた社会契約説でしたが、ロックはここで1つの疑問を持ちます。
仮に、国家に預けた自然権を、政府が悪用して国民の権利を侵害するようなことになったらどうなるのかと。
国民は国家と契約を結んでいるわけなので、国家がこの契約に違反するようなことがあれば国民は国家との契約を破ってこれに抵抗をする権利(抵抗権)があるのではないか、そしてその権利が認められないのであれば、国家を一度壊して新しい仕組みを築く権利(革命権)があるのではないかとその著書『統治論』で述べています。
議会制民主主義の思想
ロックは抵抗権を確固たるものにするために、選挙を通じて国政を任せる人を選ぶという議会制民主主義を唱えます。そしてより公平な国家運営が行えるように、権力を立法・行政・外交の3つにわけて考えることも併せて提唱します。この後者の考えは、モンテスキューによって三権分立として近い将来確立されることになります。
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