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遷移元素の特徴~遷移元素のK殻・L殻・M殻~
著作名: 藤山不二雄
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遷移元素とは

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少し見づらいかもしれませんが、色をかけたところの元素すべてが遷移元素と呼ばれるものです。遷移元素とは3族から11族に属する元素で、すべて金属元素です。

ここでは、電子殻から遷移元素の性質について考察をしてみましょう。

電子殻から?

電子殻から」と書きましたが、これは一体どういうことでしょうか。

電子殻

まず電子殻について思い出してみましょう。「高校化学基礎 原子の電子配列と電子殻」をチェックしてみてください。電子殻についてまとめてあるテキストです。

原子核の周りを取り巻いている電子の配列には、規則性がありました。

1234
名前K殻L殻M殻N殻
電子の数281832…2n×n


しかし電子は、どこでも好きな場所に留まることができるというわけではなく、内側から順番に配列されていくことがポイントです。

赤文字で書いたように、電子は、内側から順番に配列されていくことがポイントでありルールでした。しかし遷移元素は、このルールを破っている元素の集まりなんです。
詳しくみていきましょう。

遷移元素のK殻、L殻、M殻、N殻…


元素番号元素K殻L殻M殻
1H1--
2He2--
3Li21-
4Be22-
5B23-
6C24-
7N25-
8O26-
9F27-
10Ne28-


本来であれば電子は、上の表のように、K殻をまず埋め、その次にL殻、そしてM殻というように内側から順番に埋まっていくのがルールです。これを守っているのが典型元素になります。しかし遷移元素は、このルールを守っていません。

元素番号元素K殻L殻M殻N殻
21Sc2892
22Ti28102
23V28112
24Cr28131
25Mn28132
26Fe28142
27Co28152
28Ni28162
29Cu28181
30Zn28182


上記のように、M殻がすべて埋まっていないにもかかわらず、M殻よりも外のN殻に先に電子が入っています。
周期律がはっきりしていない。これが遷移元素の最大の特徴です。



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