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17_80 両世界大戦期の日本と世界 / 国内情勢・第二次世界大戦・太平洋戦争

【GHQによる占領と間接統治、政治民主化・非軍事化の改革、極東国際軍事裁判】 受験日本史まとめ 79

著者名: Cogito
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政治的民主化・非軍事化改革

後継内閣として、戦前に協調外交を進めた幣原喜重郎元外相が1945年(昭和20年)10月9日に首相に就任しました。幣原内閣は、翌年5月22日に退陣するまでに、天皇の人間宣言・公職追放・戦争放棄の基礎的発案・総司令部の用意した憲法草案の閣議決定・極東国際軍事裁判所設置など五大改革指令を実行していきました。

総司令部は、重要な案件であるほど文章ではなく口頭で日本側に伝える傾向がありました。この五大改革指令とは、幣原喜重郎が10月11日に初めてマッカーサーを訪問した際に、マッカーサーから口頭で伝えられた5つの示唆のことです。この5点は、次のようなものでした。

(1)「憲法の自由主義化」と婦人参政権の付与
(2)労働組合の結成奨励
(3)教育制度の改革
(4)秘密警察などの廃止
(5)経済の民主化

幣原内閣はこの指令に基づいて、共産党員を含む政治犯の釈放、治安維持法・特高警察の廃止を実現し、12月には衆議院議員選挙法を改正し、婦人参政権を認めました。この中でも、幣原内閣成立直後から内務省主導で進められた選挙法改正は、総司令部の関与が低く、男子満25歳以上の選挙権を満20歳以上の男女に拡大し、中選挙区制を府県単位の大選挙区制に改正し制限連記制とし、選挙運動自由化を図るものでした。この日本側の自主的な改革案に対し、早期の総選挙実現を重要視した総司令部はこれを認めました。

その他、1945年(昭和20年)10月13日の国防保安法・軍機保護法廃止、10月15日の治安維持法廃止、10月22日の「日本教育制度に対する管理政策」指令、11月6日の財閥解体、11月21日の治安警察法廃止、12月17日の選挙法公布、12月22日の労働組合法公布などが実行されました。

1945年(昭和20年)12月、皇族の梨本宮守正や内大臣木戸幸一に逮捕命令が出されると、内外で昭和天皇の戦争責任問題をどうするかという動きがおこりました。総司令部やアメリカ政府側は、天皇制廃止の場合に日本国内に大混乱が起こると考えており、むしろ占領管理に天皇制を利用すべきという意見が多数を占めていました。こうして、1946年(昭和21年)元旦、天皇の人間宣言の勅書が出され、天皇は現御神であり、日本民族が他民族に優越するという神話が否定されました。

同年1月4日には、日本政府側に事前連絡をしないまま、総司令部から公職追放令が発表されました。戦争犯罪人・軍人・超国家主義者・大政翼賛会の政治家・軍国主義者らを「好ましからざる人物」として公職から追放し、1948年(昭和23年)5月までに、旧軍人を中心とした21万人が罷免されました。幣原内閣からも追放に該当する閣僚が出たため、5人の閣僚を入れ替える改造内閣が発足しました。

極東軍事裁判所の設置とともに、戦争容疑者も次々と逮捕されました。A級戦犯容疑者とは、捕虜虐待などの通常の戦争犯罪ではなく、国際条約に違反して戦争の計画・開始・遂行したと申し立てられた者で、「平和に対する罪」に問われた者を指していました。戦犯容疑は1945年(昭和20年)9月から12月にかけて逮捕され、その中で28名がA級戦犯として起訴されました。1946年(昭和21)1月19日、マッカーサーは極東国際軍事裁判所憲章(条例)を発布し、裁判所の設置を命じました。同年5月3日には東京裁判が始まり、1948年(昭和23年)11月まで続きました。28名の被告の中で、大川周明は精神障害のため免訴となり、松岡洋右・永野修身は死亡、残りの25名は有罪判決を受けました。土肥原賢二・板垣征四郎・広田弘毅・松井石根・東条英機・木村兵太郎・武藤章の7名が絞首刑となり、同年12月23日に執行されました。A級・B級・C級の類型は、極東国際軍事裁判所条例(極東軍事裁判所憲章)第5条のa.平和に対する罪、b.(通例の)戦争犯罪、c.人道に対する罪の内容によって区別されました。ドイツのニュルンベルク裁判と同じく、それまで戦争犯罪とされてこなかった「平和に対する罪」「人道に対する罪」が適用されたのもこれらの裁判の特徴でした。最終的に、通常のB級C級戦犯として、50ヶ所で5400人余りが起訴され、937人が死刑、358人が終身刑の判決をうけました。また、昭和天皇は、最終的にアメリカの意向により戦犯訴追をまぬがれました。
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『詳説日本史』 山川出版社
『日本史用語集』 山川出版社

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