『竹取物語冒頭』原文・わかりやすい現代語訳と解説
このテキストでは、
竹取物語の冒頭部分(今は昔、竹取の翁といふものありけり〜)の現代語訳・口語訳とその解説を記しています。
竹取物語とは
竹取物語は、平安時代初期に成立したとされる物語です。正確な成立年や作者は未詳です。
原文
今は昔、竹取の翁といふもの
ありけり。野山に
まじりて竹を取りつつ、
よろづのことに
使ひけり。名をば、さぬきの造と
なむいひける。その竹の中に、もと光る竹
なむ一筋ありける。
あやしがりて、
寄りて
見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸
ばかりなる人、いと
うつくしうて
ゐたり。
現代語訳
今となっては昔のことですが、竹取の翁という者がいました。野や山に分け入って竹を取っては、いろいろなことに用立てたのでした。その名をさぬきの造と言いました。(ある日)その竹の中に、根元が光る竹がひとつありました。不思議に思って、近寄ってみると、竹筒の中が光っています。それ(の中)を見ると、三寸ぐらいの人が、とてもかわいらしい様子で座っています。
※一寸が約3.03cmですので、三寸は約9.1cmとなります。
【さらに詳しい解説】竹取物語冒頭「なよ竹のかぐや姫」わかりやすい現代語訳と解説
品詞分解
※品詞分解:
「今は昔、竹取の翁といふもの〜」の品詞分解
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著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。