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1_80 古典:読み解き / 漢文:文章の訳/読み解き

杜甫『絶句』 書き下し文・現代語訳と解説

著者名: 走るメロス
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杜甫『絶句』

ここでは、中国の詩人、杜甫が詠んだ漢詩「絶句」の原文(白文)、書き下し文、そしてわかりやすい現代語訳・口語訳、文法解説(五言絶句・押韻・対句の有無など)を記しています。





この絶句は、杜甫が戦争を逃れて成都にいたときに詠まれたものです。戦は終わったものの、戦後処理の影響から故郷には帰ることができずに、成都にとどまらざるをえない杜甫の心境が描かれていますので、その点を味わいながら読むんでいきましょう。


白文(原文)

※左から右に読んでください。

江 碧 鳥 愈 白
山 青 花 欲 然
今 春 看 又 過
何 日 是 帰 年


書き下し文

江 碧 鳥 愈 白
江は碧にして鳥は愈よ(いよいよ)白く

山 青 花 欲 然
山は青くして花は燃えんと欲す




今 春 看 又 過
今春看す又過ぐ

何 日 是 帰 年
何れ(いづれ)の日か、是れ帰年ならん

現代語訳

江は碧にして鳥は愈よ(いよいよ)白く
長江の水は深いみどり色に澄み、その色を背景に鳥たちはよりいっそう白く見えます。

山は青くして花は燃えんと欲す
山は青々と生い茂り、花は燃えるようにあざやかな赤色をしています。




今春看す又過ぐ
今年の春もあっというまに過ぎ去ろうとしています。

何れ(いづれ)の日か、是れ帰年ならん
いつになったら故郷に帰ることができるのでしょうか。


形式:五言絶句

4つの句からなる詩を絶句(ぜっく)といい、8つの句からなる詩を律詩(りっし)といいます。この漢詩では「江碧鳥愈白」を1句と考えます。この絶句は4つの句からなるので絶句です。

また、絶句のうち1つの句が5文字からなるものを五言絶句(ごごんぜっく)といい、1つの句が7字からなるもの七言絶句(しちごんぜっく)といいます。

以上から、絶句は「五言絶句」となります。





押韻:燃・年

押韻(おういん)とは、漢詩を読んだ時に一定のリズムが出るように、同じ響きの言葉を句の最後に置くことです。例えばこの絶句では、

燃(Nen)、年(Nen)

が該当します。カッコの中は日本語の音読みです。だいたいが日本語の音読みで判別することができますが、本来は、作者が生きた時代の発音で韻を踏んでいるかどうかを確認します。よって、日本語の音読みだけでは判別ができない押韻も存在します。

押韻にはルールがあります。五言絶句では、原則として第2句末と第4句末に同じ響きの言葉が置かれます。





対句(ついく)

対句とは、句を強調するために、形や語感が似たペアの句を作る技法です。ペアとなる句は、文法構造や用いている文字が呼応しているなどの特徴があります。絶句は、「第1句と第2句」が対句となっています。

第1句と第2句

江 碧 鳥 愈 白
山 青 花 欲 然

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鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店
教科書『国語2』 光村図書
『教科書 高等学校 標準 古典B 漢文編』 第一学習社

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