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郷挙里選とは わかりやすい世界史用語459
著作名: ピアソラ
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郷挙里選

郷挙里選は、中国の漢代における官僚選抜制度の一つで、地方の有力者や優れた人材を中央政府が発掘し、官僚として登用するためのシステムでした。この制度は、地方の推薦に基づいて中央で選抜を行うというもので、地方の実情に精通した人物を中央政府の官職につけることで、地方と中央の連携を強化し、統治の効率を高めることを目的としていました。

郷挙里選の制度は、前漢の時代に始まり、後漢に引き継がれました。この制度では、各地の郷や里から推薦された候補者が、さらに評価を受け、最終的に中央政府によって選ばれるというプロセスを経ていました。推薦される人物は、徳行や学識、能力などが優れていると評価された者であり、地方の長老や有力者によって推薦されることが一般的でした。

この制度は、地方の実力者や有力家族が中央政府に影響力を持つ手段としても利用され、しばしば地方の利害関係が反映される結果となりました。また、郷挙里選によって選ばれた官僚は、地方の利益を代表する存在として中央で活動することが期待されていました。

しかし、郷挙里選は、地方の有力者による推薦が中心となるため、しばしば贔屓や腐敗が生じる原因ともなりました。

漢代の郷挙里選は、中国古代の官僚制度の発展において重要な役割を果たしましたが、同時にその限界も露呈することとなりました。

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