スキタイとは　わかりやすい世界史用語402 / 世界史 by ピアソラ |マナペディア|

更新日時：2024-10-10
	スキタイとは　わかりやすい世界史用語402
著作名：ピアソラ 964 views

スキタイとは

スキタイ人は、紀元前7世紀から紀元前３世紀頃にコーカサスや黒海北方にいたイラン系の遊牧民族で、中央アジアから南ロシアとウクライナへと西進しました。彼らは現在のクリミアを中心に豊かで強力な帝国を築きました。この帝国は数世紀にわたって繁栄し、紀元前4世紀から2世紀にかけてサルマタイ人によって滅ぼされるまで存続しました。
スキタイ人の歴史は、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスによって記されたものが長らく唯一の情報源でしたが、20世紀に入ってからは、ロシアや他の地域の考古学者によるクルガン（墳墓）の発掘調査によって、その記録が大きく拡充されました。特に、トゥヴァやカザフスタンなどで行われた発掘調査が知られています。
スキタイ人は戦闘能力に優れ、特に馬術に長けていたことで恐れられ、また尊敬されていました。彼らは最も早く馬上での移動技術を獲得した民族の一つであり、その機動力は周辺国を驚かせました。スキタイ人のアジアからの移動は、彼らをカフカスと黒海北部の平原を支配していたキンメリア人の領土へと導きました。30年に及ぶ戦争の末、スキタイ人はキンメリア人を破り、ペルシャの国境からクバンを経て南ロシアに至る帝国の支配者として自らを確立しました。
スキタイ人は戦闘能力だけでなく、複雑な文化も生み出しました。彼らは裕福な貴族階級を形成し、金で豪華に装飾された墓、トルコ石、カーネリアン、琥珀のビーズ、その他多くの貴重な物品で満たされたクルガンを残しました。この貴族階級、すなわち「王族スキタイ人」は、最終的に南ロシアとクリミアの領土の支配者として自らを確立しました。彼らの力は、ペルシャ王ダレイオス1世の侵攻を撃退するほどでした。
スキタイ人の文化は、彼らが残した豊富で古い、そして最も多くの遺物が見つかっている場所である南ロシアとクリミアで特に顕著です。彼らの遺物からは、スキタイ人が持っていた複雑な社会構造や信仰、芸術、技術などが垣間見えます。

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