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古文単語「あへなし/敢え無し」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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あへなし/敢え無し

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形容詞・ク活用

未然形あへなくあへなから
連用形あへなくあへなかり
終止形あへなし
連体形あへなきあへなかる
已然形あへなけれ
命令形あへなかれ


意味1

今さらどうしようもない、仕方がない

[出典]:夕顔 源氏物語
「召し入れて、のたまひ出でむことのあへなきに、ふとも物言はれたまはず。」

[訳]:お呼び入れになり、(事情を)口に出しておっしゃるようなことが今さらどうしようもない(ことな)ので、すぐには何もおっしゃることができません。


意味2

張り合いがない、あっけない、がっかりだ

[出典]宮に初めて参りたるころ 枕草子
「見苦し。さのみやはこもりたらむとする。あへなきまで御前許されたるは、さおぼしめすやうこそあらめ。思ふにたがふはにくきものぞ。」

[訳]:「みっともないですよ。ひたすらそのように引きこもってばかりいてよいのでしょうか、いやよくないです。あっけないほど(簡単に中宮様の)御前へのお目通りが許されているということは、(中宮様が)そのようにお思いになることがあってのことでしょう。(中宮様の)ご好意にそむくのは気に食わないことですよ。」




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