|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
高校古文『陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに』わかりやすい現代語訳と品詞分解 |
著作名:
走るメロス
69,481 views |
百人一首(13)
陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに
このテキストでは、百人一首や古今和歌集、伊勢物語などに収録されている歌「陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに」の現代語訳・口語訳と解説、そして品詞分解を記しています。
※古今和歌集では、
陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れむと思ふ我ならなくに
と収録されています。
※百人一首は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ和歌集です。100人の歌人の和歌を、1人につき1首ずつ選んで作られています。
原文
■百人一首
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに
■古今和歌集
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れむと思ふ 我ならなくに
ひらがなでの読み方
■百人一首
みちのくの しのぶもぢずり たれゆえに みだれそめにし われならなくに
■古今和歌集
みちのくの しのぶもぢずり たれゆえに みだれむとおもふ われならなくに
現代語訳
■百人一首
陸奥のしのぶもじずりの乱れ模様のように、あなた以外の誰のために心が乱れ初めた私ではないのに
■古今和歌集
陸奥のしのぶもじずりの乱れ模様のように、心が乱れようと思う私ではないのに
解説
この歌の詠み手である河原左大臣こと源 融(みなもとのとおる)は、源氏物語の主人公光源氏のモデルと言われています。
伊勢物語には次のように記されています。
初冠(元服して初めて冠を着けること)をした男が、奈良へと狩りに出かけました。その里にはとても美しい姉妹が住んでおり、男は二人を垣間見してしまいました。当時は優れたものはすべて京都に集まるといった思想があり、旧都に、たいそう不釣り合いな様子で美しい姉妹がいたことに対して、男はすっかり心を乱してしまい、
春日野の若紫のすりごろもしのぶの乱れ限り知られず
という歌を詠んだのですが、この歌は、このテキストで扱う「陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに」という昔の歌の趣向を踏まえたものでした。
技法
■序詞
上の句(陸奥のしのぶもぢずり)が、「乱れ」を導く序詞。
品詞分解
※名詞は省略しています。
陸奥 | ー |
の | 格助詞 |
しのぶもぢずり | ー |
誰 | 代名詞 |
ゆゑ | ー |
に | 格助詞 |
乱れそめ | マ行下二段活用「みだれそむ」の連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」の連用形 |
し | 過去の助動詞「き」の連体形 |
我 | 代名詞 |
なら | 断定の助動詞「なり」の未然形 |
なく | 打消の助動詞「ず」の未然形+接尾語「く」 |
に | 接続助詞(※諸説あり) |
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
源氏物語 桐壺 その15 読書始め
>
徒然草『今日はそのことをなさんと思へど』 わかりやすい現代語訳と解説
>
方丈記『大火とつじ風(また治承四年四月のころ中御門京極のほどより〜)』の現代語訳
>
おくのほそ道 冒頭『漂白の思い(漂泊の思ひ)』現代語訳と解説
>
百人一首『かささぎの渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞふけにける』現代語訳と解説(係り結びなど)
>
デイリーランキング