manapedia
更新日時:
古文単語「よせ/寄せ」の意味・解説【名詞】
著作名: 走るメロス
31,739 views
「よせ/寄せ」の意味・活用・使用例【名詞】

このテキストでは、古文単語「よせ/寄せ」の意味、解説とその使用例を記している。

※サ行下二段活用「よす」の連用形「よせ」が名詞に転じたもの。
名詞

意味1

後ろ盾となる人、後見人

[出典]桐壷 源氏物語
「一の皇子は、右大臣の女御の御腹にて、寄せ重く、疑ひなき儲の君と、世にもてかしづき聞こゆれど...」

[訳]:(帝の)第一の皇子は、右大臣の娘で女御となった人がお産みになった子で、後ろ盾がどっしりしており、疑いなく皇太子(となられる人)であると、世間でも大切にお世話し申し上げていますが...


意味2

人望、信望、期待、心をよせること

[出典]:かしこきものは 枕草子
「したり顔に、わが心地もいと寄せありて...」

[訳]:得意気な顔で、自分自身もとても信望がある気になって...




意味3

縁故、ゆかり

[出典]:大臣の大饗は 徒然草
「させることの寄せなけれども、女院の御所など借り申す...」

[訳]:これという縁故はないが、女院の御所などをお借り申し上げる...


意味4

理由、わけ、名目

[出典]:新島守 増鏡
「国を争ひて戦ひをなすこと、数へ尽くすべからず。それもみな、一ふし二ふしの寄せはありけん。」

[訳]:国を争って戦うことは、数えきれないほど多い。それもみな、一つや二つの理由はあったであろう。


このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。