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古文単語「もてなす/もて成す」の意味・解説【サ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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もてなす/もて成す

このテキストでは、サ行四段活用の動詞「もてなす/もて成す」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

サ行四段活用

未然形もてなさ
連用形もてなし
終止形もてなす
連体形もてなす
已然形もてなせ
命令形もてなせ


意味1:他動詞

執り行う、取り計らう

[出典]桐壷 源氏物語
「...なにごとの儀式をももてなし給ひけれど...」

[訳]:...どのような儀式でも、ひけをとらずに取り計らいなさったのですが...


意味2:他動詞

振る舞う、ふりをする

[出典]:若紫 源氏物語
「ねぶたげにもてなして、とかう世を思し乱るること多かり。」

[訳]:眠たそうなふりをなさって、あれやこれやと男女の仲をお思い悩みになることが多い。




意味3:他動詞

大切に世話をする、待遇する

[出典]:夕顔 源氏物語
「この人のたづきなしと思ひたるを、もてなし助けつつさぶらはす。」

[訳]:この人が(夕顔の死後に)頼るところがないと思っていたのを、世話をし助けながらお側に仕えさせます。


意味4:他動詞

もてはやす、珍重する、優遇する

[出典]:鰹は下魚 徒然草
「鎌倉の海に鰹といふ魚は、かの境には双なきものにて、このごろもてなすものなり。」

[訳]:鎌倉の海のカツオという魚は、あの地方では並ぶものがないとして、最近もてはやしているものです。




意味5:他動詞

歓待する、ごちそうする

[出典]:尾花沢 奥の細道
「日ごろとどめて、長途のいたはり、さまざまにもてなし侍る。」

[訳]:(私たちを)何日も留めて、長旅をねぎらい、いろいろと歓待し(てくれ)ます。


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