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古文単語「ただ/唯/只」の意味・解説【副詞】 |
著作名:
走るメロス
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「ただ/唯/只」の意味・活用・使用例【副詞】
このテキストでは、古文単語「ただ/唯/只」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「ただ」には
・直
・唯/只
の用法があり、それぞれ意味が異なる。ここでは「唯/只」の用法について解説を行う。
※参照:「直」の用法
副詞
■意味1
(強調する意味合いで)
ひたすら、いちずに、ただもう。
[出典]:うれしきもの 枕草子
「のちに物の中などにて見出でたるは、ただをかしう...」
[訳]:よく知らずにいた有名な歌を)後に書物の中などで見つけたときには、ただもう面白くて...
「のちに物の中などにて見出でたるは、ただをかしう...」
[訳]:よく知らずにいた有名な歌を)後に書物の中などで見つけたときには、ただもう面白くて...
■意味2
わずかに、ほんの、ただ。
[出典]:春はあけぼの 枕草子
「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。 」
[訳]:夏は夜(が良い)。月が出ている頃は言うまでもなく、(月が出ていない)闇夜もまた、蛍が多く飛び交っている(様子も良い)。また(たくさんではなくて)、ほんの一匹二匹が、ぼんやりと光って飛んでいくのも趣がある。雨が降るのも趣があって良い。
「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。 」
[訳]:夏は夜(が良い)。月が出ている頃は言うまでもなく、(月が出ていない)闇夜もまた、蛍が多く飛び交っている(様子も良い)。また(たくさんではなくて)、ほんの一匹二匹が、ぼんやりと光って飛んでいくのも趣がある。雨が降るのも趣があって良い。
■意味3
むやみに〜する、ひたすら〜する。
※この用法の場合、『ただ』+『動詞の連用形』+『格助詞 に』+『動詞の連用形』の形で用いられる。
[出典]:宿木 源氏物語
「ただ言ひに言へば...」
[訳]:(女房たちが)むやみに言いたてるので...
「ただ言ひに言へば...」
[訳]:(女房たちが)むやみに言いたてるので...
■意味4
構わないから〜、ともかく〜。
※この用法の場合、「ただ+命令、禁止、意志を表す言葉」の形で用いられる。
[出典]:亀山殿 徒然草
「とがむべからず。ただみな掘り捨つべし。」
[訳]:気にしなくてよい。とにかく全部掘って捨てなさい。
※命令を表す「べし」とセットで用いられている例。
「とがむべからず。ただみな掘り捨つべし。」
[訳]:気にしなくてよい。とにかく全部掘って捨てなさい。
※命令を表す「べし」とセットで用いられている例。
■意味5
まるで、ちょうど。
※この用法の場合、下に「ごとし/やうなり」を伴って用いられる。
[出典]:祇園精舎 平家物語
「おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。」
[訳]:おごり高ぶっている人(の栄華)も長く続くものではなく、まるで(覚めやすいと言われている)春の夜の夢のようである。
「おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。」
[訳]:おごり高ぶっている人(の栄華)も長く続くものではなく、まるで(覚めやすいと言われている)春の夜の夢のようである。
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