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ヨーロッパ諸国の停滞(挙国一致体制、ルール占領、レンテンマルクなど) 受験対策問題 96 |
著作名:
レキシントン
10,749 views |
ヨーロッパ諸国の停滞で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
イギリスの状況
・イギリスでは、第一次世界大戦中に自由党のロイド=ジョージ挙国一致内閣(1916年~1922年)が成立し、保守党の協力も得ながら強力な指導を行った。1918年には第4回選挙法改正が行われ、イギリス初の普通選挙法として成人男性と30歳以上の女性に選挙権が拡大された。
・アイルランドでは、1905年に結成されたシン=フェイン党が急進的な独立を主張するようになった。1918年の総選挙でシン・フェイン党は圧勝し、1919年に独立を宣言、アイルランド自由国を建国した。指導者デ=ヴァレラは首相となり、1922年に自治領として認められた。1937年に新憲法を定めたアイルランド自由国は、イギリス連邦から離脱し、エールに改称した。
・第一次世界大戦後、イギリス帝国は1926年のイギリス帝国会議とウエストミンスター憲章によりイギリス連邦に改称され、自治領に本国と同等の地位を認めた。
・1924年にイギリス初の労働党内閣が成立し、第1次マクドナルド内閣はソ連新政権を承認した。1928年には第5回選挙法改正が成立し、21歳以上の女性の全てに選挙権が与えられ、イギリスの普通選挙制が完成した。
フランスの状況
・フランスでは、ポワンカレ右翼政権が成立し、1923年から1925年にかけてベルギーとともにルールを占領した。ルール占領の結果、ドイツ側は非協力的抵抗を行い、生産を停止したため、経済混乱に陥った。
・1924年には左翼連合政権が成立し、ルール撤兵・ロカルノ条約の締結など、外相・首相だったブリアンが平和外交を行った。
ドイツの状況
・ドイツでは、ドイツ社会民主党が主導権を握っていたが、第一次世界大戦が勃発すると戦争に協力するようになった。1917年には、ドイツ社会民主党の反戦派がドイツ独立社会民主党を結成したが少数にとどまった。
・1916年、社会民主党左派のカール=リープクネヒトは、急進的革命組織のスパルタクス団を組織し、女性革命家のローザ=ルクセンブルクとともに組織を指導した。1918年末からスパルタクス団を中心にドイツ共産党が結成され、1919年に武装蜂起したが、社会民主党政府と軍部に鎮圧され、ローザ=ルクセンブルクとカール=リープクネヒトは殺害された。
・1919年2月、ヴァイマル(ワイマール)国民議会が招集され、ドイツ共和国の憲法としてヴァイマル(ワイマール)憲法が制定された。この憲法では、主権在民、男女平等の普通選挙、労働者の団結権・団体交渉権、7年任期の大統領制などが決められた。これ以降、1933年まで、ヴァイマル(ワイマール)共和国が成立した。
・社会民主党の指導者エーベルトは、ドイツ革命で首相となり、1919年のスパルタクス団の蜂起を鎮圧した。その後ヴァイマル共和国の初代大統領となった。
・1923年にはじまったフランス・ベルギーによるルール占領に対し、ドイツはサボタージュなどを行ったため、極度のインフレーションに見舞われた。マルクの価値は大戦中の1兆分の1まで下落し、政治不安が高まった。
・ドイツ人民党の党首シュトレーゼマンは、1923年に大連合内閣首相となり、レンテンマルクを発行し、1兆マルクを1レンテンマルクとした。これによりインフレーションが収まった。
・ドイツに課せられた賠償金は莫大な金額だったため、1924年にアメリカのドーズ案が作成され、新たな賠償方式としてアメリカ資本の貸与と支払い方法・期限が緩和された。また、1926年にドイツの国際連盟加入が決まった。
・ドイツの将軍ヒンデンブルクは、1925年の選挙で圧勝し、大統領となった。ドイツの賠償はその後も緩和され、1929年のヤング案で358億金マルク、1932年のローザンヌ会議で30億金マルクに減額されたが、最終的にヒトラーが一方的に破棄した。
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