manapedia
更新日時:
蜻蛉日記原文全集「又この袈裟のこのかみも法師にてあれば」
著作名: 古典愛好家
6,818 views
蜻蛉日記

又この袈裟のこのかみも法師にてあれば

又、この袈裟(けさ)のこのかみも法師にてあれば、祈りなどもつけてたのもしかりつるを、にはかに亡くなりぬと聞くにも、このはらからの心ちいかならん、われもいとくちをし、たのみつる人のかうのみ、など思ひみだるれば、しばしばとぶらふ。さるべきやうありて、雲林院に候ひし人なり。四十九日などはてて、かくいひやる。

おもひきやくものはやしをうちすてて そらのけぶりにたたむものとは

などなん、おのが心ちのわびしきままに、野にも山にもかかりける。はかなながら秋冬もすごしつ。
        
      
      

このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。