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蜻蛉日記原文全集「これより、夕さりつかた」 |
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著作名:
古典愛好家
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蜻蛉日記
これより、夕さりつかた
これより、夕さりつかた、
「内裏の方ふたがりけり」
とて出づるに、心えで人をつけて見すれば、
「町の小路なるそこそこになん、とまり給ひぬ」
とて来たり。さればよと、いみじう心うしと思へども、いはんやうも知らであるほどに、二三日ばかりありて、あか月がたに門をたたくときあり。さなめりと思ふに、憂くてあけさせねば、例の家とおぼしきところにものしたり。つとめて、なほもあらじと思ひて、
なげきつつひとりぬるよのあくるまは いかにひさしきものとかはしる
と、例よりはひきつくろひて書きて、うつろひたる菊にさしたり。かへりごと、
「あくるまでもこころみむとしつれど、とみなる召使ひの来(き)あひたりつればなん、いとことわりなりつるは。
げにやげにふゆのよならぬまきのとも おそくあくるはわびしかりけり」
げにやげにふゆのよならぬまきのとも おそくあくるはわびしかりけり」
さてもいとあやしかりつるほどに、ことなしびたり。しばしはしのびたるさまに、
「内裏に」
などいひつつぞあるべきを、いとどしう心づきなく思ふことぞかぎりなきや。
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