更新日時:
|
|
民主政治の基本原則1 |
|
著作名:
逆転検事
22,455 views |
政治経済の中の「政治」分野を理解する上で重要なのが、民主政治の基本原則を理解することです。このテキストでは、民主政治とは一体どのような概念なのか見ていきましょう。
私たち人間は、根源的に自らの利益や目的のために行動するようになっています。だれとも関係を持たずに、一人で一生を終える人間がいるのであればそれが正しい姿なのかもしれません。
しかし、私たちは社会の中で生きています。他者と関わり合いを持たずに生活することは不可能です。
社会の中で生きる場合に、一人ひとりが自分の目的を達成するためだけに行動すればどうなるでしょう。
必ず他者と衝突し、紛争を生み出してしまいます。
この状況を回避するために、私たちの社会には秩序が必要となります。
秩序というのは、社会や集団などが、望ましい状態を保つためのきまりのことです。
秩序は、ルールを作れば成立するものではありません。時には、ルールに従わない人もいるでしょう。
このルールを守るように強制することと、秩序を乱すものに処罰を与える力が必要となります。このようにルールを強制する力を権力と言います。
政治とは、権力とルールを用いて社会に秩序を創り、維持する活動のことを指します。
社会の秩序を維持を支える重要なまとまりが国家で、国家内部のルールを法と言い、国家において政治を行う機関を政府と呼ぶのです。
社会の維持のための秩序は、世界各地の文化や宗教に左右されながら、時代と共に変遷してきました。
ある時代では、王などの為政者によってルールが決められていましたが、次第に国家を構成する国民が自らの手でルールを作り出すという流れへと変わっていき、多数決によって国政が決められるようになっていきました。
これを民主主義と言います。
民主主義は、はじめ古代ギリシアの都市国家(ポリス)で始まりました。この時代、ギリシアでは市民の意志が政治にそのまま反映される直接民主政治が行われていました。
(アテネのアクロポリス)
その後中世ヨーロッパでは封建制度を元に国政が行われるようになり、長い間王族や貴族が人々を支配する状況が続きます。
17世紀になると、国民国家というものが次第に成立し始めます。国民国家とは、ある領域と国民を支配する国家のことです。
この時代王権は最高なものとして認識され、国王は自分の権力が神から授かったものであることを主張します。これを「王権神授説」と言います。
(王権神授説を唱えたルイ14世)
この絶対君主制に対抗して、力をつけ始めた市民階級(ブルジョワジー)がさまざまな革命を起こしました。
イギリスの名誉革命、アメリカ独立革命、フランス革命などの市民革命が絶対君主制を崩壊させ、民主主義は再び国政のあり方として定着しました。
(フランス革命)
民主主義は現在の私達の生活の中では当たり前の原理ですが、この制度は、多くの民衆の犠牲の上に成立したと言えます。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
民主政治の基本原則2
>
民主政治の基本原則2
>
民主主義の起こり ~市民革命と人権の確立~
>
最近見たテキスト
民主政治の基本原則1
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
政治経済
- 民主政治の基本原理と日本国憲法
- 民主政治
- 日本国憲法
- 国会・内閣・裁判所・地方自治
- 政党政治と選挙
- 現代の国際政治
- 国際政治
- 国際法
- 国際機関
- 現代経済の仕組み
- 資本主義経済・社会主義経済
- 経済成長と景気変動
- 税と財政のしくみ
- 金融のしくみ・金融政策
- 戦後復興
- 国民経済と国際経済
- 家計と企業
- 国際経済のしくみ
- 国際通貨制度
- 南北問題
- 地域的経済統合
- 現代日本の政治や経済の諸課題
- 環境問題(国内)
- 少子高齢社会と社会保障(国内)
- 情報化社会(国内)
- 消費者問題(国内)
- 農業と食糧(国内)
- 産業構造・中小企業(国内)
- 労働市場の変化(国内)
- 地方自治(国内)
- 国際社会の政治や経済の諸課題
- 地球環境
- 人種・民族
- 核兵器・軍縮
- 経済摩擦
- 経済格差
- その他
- その他