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古文単語「あぢきなし」の意味・解説【形容詞ク活用】

著者名: 走るメロス
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あぢきなし

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形容詞・ク活用

未然形あぢきなくあぢきなから
連用形あぢきなくあぢきなかり
終止形あぢきなし
連体形あぢきなきあぢきなかる
已然形あぢきなけれ
命令形あぢきなかれ


意味1

(道理から外れていて)
どうしようもない、まともでない

[出典]桐壷 源氏物語
「唐土にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れ、悪しかりけれと、やうやう天の下にもあぢきなう、人のもてなやみぐさになりて...」

[訳]:唐(中国)でも、このようなこと(帝が女性を寵愛しすぎたこと)が原因で、世の中が乱れて具合が悪いことになったのだと、次第に世間でもまともでないことと、人の悩みの種となっていて...


意味2

甲斐がない、無意味だ、無益だ

[出典]安元の大火 方丈記
「人の営み、みな愚かなる中に、さしも危ふき京中の家を作るとて、財を費やし、心を悩ますことは、すぐれてあぢきなくぞはべる。」

[訳]:人の営みはみな愚かなものであるが、その中でもこれほど危険な都の中に家を作り財産を費やして、神経をすり減らすことは、この上なくする甲斐のないことである。


意味3

おもしろくない、つまらない

[出典]をりふしの移り変わるこそ 徒然草
「おぼしきこと言はぬは腹ふくるるわざなれば、筆にまかせつつ、あぢきなきすさびにて、かつ破り捨つべきものなれば、人の見るべきにもあらず。」

[訳]:こうあって欲しいと思うことを口にしないのはお腹が膨れるような(嫌な)ことなので、(この文章は)筆の勢いにまかせながら書いたつまらない慰めのようなもので、(書いては)すぐに破り捨てるべきものだから、人が見るようなものでもない。


意味4

耐え難い、切ない

[出典]:たまきはる
「曹子の内にゐて、いとど昔恋しく、あぢきなくて、この母と頼みし人に...」

[訳]:部屋の中にいて、大変昔のことが恋しく、切なくて、この母と頼みにしていた人に...


備考

「あぢきなう」は「あぢきなし」の連用形「あぢきなく」のウ音便。
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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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